コラム2018.06.11
WeChat Payも使える!日本の最新自動販売機がすごい!
外国人観光客にとって存在自体が珍しい自動販売機、年々外国人の利用者が増えています。インバウンド需要を取り込むため、飲料メーカー各社は訪日外国人向けのサービスを強化中です。最新の自動販売機は、WeChat Payも使えるようになっていますよ!
訪日外国人から見た自動販売機
日本が「自動販売機大国」と言われて久しいですが、実はその市場は低迷しています。
日本自動販売システム機械工業会の資料を見てみると、2017年末時点での日本国内の普及台数(飲料以外も含む)は約427万台でした。これは過去10年で最も少ない数字であり、2016年からは500万台を切るようになってきました。売上高も10年前には7兆円あった市場が下降曲線を辿り、5兆円を割り込んでいます。
世界的にみれば、紛れもなく世界最高の普及率ではあるものの、国内市場は低迷気味です。
そんな自動販売機の救世主とも言えるのが、訪日外国人観光客です。日本の治安の良さを裏付けするように、駅や街の至る所に点在する自動販売機は、諸外国ではお目にかかれない光景です。海外の人が自動販売機と一緒に記念撮影をする姿も珍しくありません。
1台の中にホットとコールドが混在していること、機械が清潔に保たれていてゴミ箱が併設されていることなど、「母国にはない自動販売機を使ってみたい!」と思う外国人は大勢いるのです。
中国国内の自動販売機事情
ここで、訪日外国人観光客の圧倒的多数を占める中国人の自動販売機事情を押さえておきましょう。
数年前までの中国では、治安や偽札の問題、飲料を買う為の硬貨が流通していないといった理由で自動販売機を見かけることはほとんどなかったそうです。
しかし、所得の上昇により都市部の治安が改善されたことに加え、WeChat PayやAlipayに代表されるキャッシュレス決済の爆発的な普及により、中国国内でも自動販売機の設置が増えてきました。
5年前の中国国内における自動販売機台数は6万台前後でしたが、現在は20万台に迫る勢いになっています。日本に比べればまだまだですが、今後、WeChat Payの定着とともに、自動販売機の更なる設置が加速すると予想されます。
日本の最新自動販売機
大手飲料メーカーは、中国人をはじめとするインバウンド需要を取り込もうと、新しい自動販売機を次々に投入しています。代表的なものが、多言語機能付き自動販売機です。英語・中国語・韓国語などに対応しており、ボタンで言語を選ぶと操作方法を音声案内してくれます。10種類以上の言語を操る自動販売機も珍しくありません。
また、ディスプレイにスマホをかざすと、多言語で周辺の観光案内をしてくれたり、選んだ飲料の商品概要や栄養成分まで紹介してくれたりするものもあります。更には、記念撮影機能まで搭載されるなど、最新の自動販売機には日本のおもてなしが凝縮されているのです。
中でも、これからスタンダードになっていきそうなのが、電子マネー対応型の自動販売機です。既に、WeChat Payが使える自動販売機が観光地を中心に設置され始めています。
特に中国人は現金を持ち歩くのを嫌いますので、中国国内と同じようにWeChat Payで簡単に飲み物を買う事が出来れば、自動販売機の使用率は高まるはずです。実際に、WeChat Payに対応した機種に変更したところ、売り上げが伸びたという事例もあります。
最後に
コンビニエンスストアが乱立している今、考えてみると、飲み物が欲しい時に自動販売機を探すという行為をしなくなったように思います。日本国内で低迷する自動販売機の未来を切り開くのは、インバウンド型自動販売機のおもてなしとWeChat Payのキャッシュレス決済かもしれませんね。