コラム2020.02.03
中国人観光客は、民宿を利用したいと思っている?
地方に行けば、いまでもよく目にする民宿。日本人には馴染み深い宿泊手段ですが、インバウンドの需要はあまり耳にしません。
実際、日本を訪れる中国人観光客は民宿をどう思っているのでしょうか。生の声を聞いてみました。
「民宿」を外国人旅行者はどう見ているの?
皆さんは、「民宿」に泊まったことがありますか?漁師や農家の方が経営されていることが多く、温かい人情とおもてなし、地元の食材を使った豪華な食事が売りです。
昔と比べて今はその数を随分と減らしたそうですが、今でも宿泊施設の少ない地方域の貴重な宿泊手段です。
今、日本では深刻な宿泊施設不足が叫ばれています。インバウンドの需要急増に、供給が追いついていない状況です。
そんな現代に話題になっているのは民泊です。これは民宿よりもさらに民間よりで、一般の部屋やマンションの空き部屋を貸し出すというもので、まだまだ市場は小さいですがこれから最も伸びていく分野の一つでしょう。
そこで、昔から日本にある民宿はどう思われているのでしょうか?
泊まったことがある人からは、多数の好意的な意見が聞かれます。
なによりそのホスピタリティを称える声が多く、どちらかといえばホストファミリーのような感覚で受け入れているようです。
ビジネスライクな対応よりもこうした温かいふれあいを楽しむ旅行客は意外と多く、リピーターも多いようです。
日本食が口に合わなかったという方も少数いましたが、食事も好意的な反応がほとんどでした。何より地方に行ったときに地元の海鮮料理、シーフードが食べられるというのはかなり好評なポイントのようです。
また、漁師の方が経営されている民宿にてクルーズツアーをしてもらった方もおり、そうしたアクティビティは民宿ならではのものですね。
圧倒的多数は民宿を「知らない」
ただ、驚いたのはほとんどの意見は日本に民宿という業態があることを「知らない」というリアクションでした。
まず、中国人観光客は個人旅行で日本の宿泊施設を探す場合ほぼ100%インターネットを経由します。民宿は電話でのみ予約を受け付け、インターネット上に情報がないものがほとんどです。
稀にホームページを作成している民宿もありますが、ホームページまでたどり着くことがほとんどないためこれも十分とは言えないでしょう。
では旅行客はどうやってこうした民宿を知るのでしょうか?最も多いのは「トリップ・アドバイザー」経由です。世界最大級の旅行クチコミサイトであるこのサイトは、民宿も宿泊施設として表示されています。日本人が投稿したレビューも翻訳してくれるので、雰囲気も伝わります。
次に多いのが、グーグルマップを経由した検索でしょう。地域を限定しホテルを検索すると、ネット予約は未対応ながら民宿も宿泊施設として表示されます。電話帳と連動しているためか、インターネット未対策の宿泊施設も表示されるようです。
非常に稀なケースが、観光協会や観光案内所に紹介されて知るというものです。
ホテルを取らずにふらっと旅行をしている方が、全く宿泊施設が見つからずに聞いてみたところ民宿を案内される、というケースがあると聞きました。ただこれは本当に稀な場合といっていいでしょう。
インバウンド客に民宿を知ってもらうには?
中国人観光客にも、民宿は高い評価を得ています。
では、何が問題なのでしょうか。上でお伝えしたとおり、「認知経路」です。
インターネットを経由しないと旅行客は民宿を知ることができません。外国人観光客の利用者が多い「Booking.com」やアジア圏に強い「Agoda」など、海外サイトに掲載することはかなり大きな効果があるでしょう。
また、中国人観光客にとって抵抗が強いのが電話予約です。言葉の壁があること、また海外で電話をかける手段が公衆電話など非常に限られることも、電話予約をためらう原因となります。
自社サイトがあるならば予約フォームを設置することは必須と言って良いかもしれませんね。