コラム2019.12.31
紅葉や桜だけじゃない!中国人観光客に人気の季節観光スポット
日本文化がアニメやゲームを通して世界中で広められている中、紅葉やお花見といった独自の季節に合わせたイベントが脚光を集めています。
では他のシーズンには集客は難しいのでしょうか?決してそんなことはありません!今、注目の季節スポットを紹介します。
お花見や紅葉、雪は外国人観光客にも人気
日本人が休みの日に、近くへ少し遊びに出てみようか、と思った時にはまずどう考えるでしょうか。近場なら、今は春だから、秋だからと季節に応じた観光先を考えてみるでしょう。
本屋の棚に、「冬の観光スポット」といった見出しの旅行ガイドがズラッと並ぶのも季節によるものと言えるかもしれませんね。
こうした季節に応じた観光スポットは、外国人観光客の中でもじわりと広がりを見せつつあります。理由としてはアニメやゲームにこうしたシーンが多く登場すること、インスタグラムなどのSNSを通じて写真が拡散されていく中で、季節ごとの美しい風景が人気となっていることが挙げられます。
代表的なのは京都の紅葉でしょう。以前より観光客でかなりの人出でしたが、今は外国人観光客にも相当な人気を誇っています。特徴としては、平日の紅葉シーズンを狙っている観光客が多いことでしょう。土日は大阪や東京に当て、少し人が減る平日に京都を訪れるというスケジュールを組むことも多いようです。
王道以外にもある人気のシーズン観光地
春は桜、夏は海、秋は紅葉といった王道観光スポットが人気なのは外国人観光客も変わりません。しかし、外国人観光客、特に近場であるためすぐに来ることができる中国人観光客は来日する時期をあまり選びません。日本に来る予定ができてから、では今何をやっているんだろう、と調べるのが普通とも言えます。
秋で紅葉と並び注目されているのが、ススキです。日本人にとってはススキと聞いてもあまりなじみがありませんが、日の当たり加減では黄金色に輝くススキ野はかなり写真映えするため、とても人気のスポットとなっています。
代表的なものは、山形の天元台高原、奈良の曽爾高原などです。いずれも車でしかアクセスできず、立地としてはあまり良いとは言えません。しかしバスツアーが運行されるなど、徐々に訪れる人数が増えつつあります。
また、富山の立山黒部アルペンルートは、夏を中心に根強い人気があります。というのも近年のトレンド「コト消費」と言われるような珍しい体験への需要が高まっている中、高山地帯を公共交通機関で移動できる立山は人気なのです。これは日本での車移動を嫌う中国人観光客にとって重要なポイントです。また日本のうだるような暑さを避け、避暑地的に使われることも多いようです。
意外なところでは、冬のイメージが強いスキー場に、夏訪れるというのも近年ブームとなりつつあります。
もちろん冬のスキー場は人気ですが、各地のスキー場は昨今夏の集客に力を入れており、特にキャンプやアクティビティを充実させています。それが訪日外国人観光客にとってもじわりとブームとなっているのです。
一般のキャンプ場と違い、夏季限定なので整備がなされきれいなこと、訪日外国人はそれほどしっかりとしたキャンプ体験までは望んでいないこと、充実したアクティビティが家族連れに好評なことなど理由は多くありますが、一番大きな理由は夏の草が茂ったスキー場の眺めが大変素晴らしいという言うことに尽きるでしょう。
最後に
訪日中国人観光客について考えるとき、あまり重視しにくい「季節感」。というのも、これまでは観光客側が季節によって行動を選択するということがあまり見られなかったからでもあります。
しかし近年、日本に来てから国内での行き先をその都度決めるという観光スタイルも、リピーターを中心に広がっています。そんなところが?という意外な場所も、もしかすると注目を集めているのかもしれません。