コラム2019.12.30
中国人観光客に人気の「マンション民泊」とは
中国人観光客を中心とした訪日外国人に人気の民泊サービス、日本でもエアビーアンドビーの普及、規制緩和などで徐々に広がりを見せつつあります。
そんな中でも特に人気を集めているのが「マンションへの宿泊」。人気の秘密を探ります。
なぜ「マンションに泊まる」のか?
町中の、なんてことない住宅街に立つマンション。そこに、大きなキャリーケースを引いた中国人観光客が何人も入っていくといった光景が見られるようになりました。近年注目されている「マンションへの民泊」、一戸建ての一部屋をホストファミリーが貸し出すといったかつてのイメージからは少しかけ離れているように思えます。
しかし、民泊サイトを検索すると、都市部ではこのような業態がほとんどであることに気づくでしょう。なぜマンションへの民泊が支持されているのでしょうか?
マンション民泊の3つの大きな利点
まず、そもそも民泊が支持を集めている大きな理由は宿泊費です。海外のホテルでは1部屋に対して料金が発生するのに対し、日本のホテルは基本的に、料金を人数に応じて請求します。勿論、シングルの部屋が充実しており一人旅に優しいなど良い点も多いのですが、複数人の旅行だと高く感じてしまいます。
また、近年は少し変わってきつつありますが、基本的に土日と平日で値段にそれほど大きな違いがありません。土日、休前日に利用する側としては良心的なのですが、平日に泊まることの多い中国人観光客にとってはもう一声安くならないかな、というのが本音でもあります。
またマンションへの民泊特有の理由は立地です。従来の民泊は、一戸建てで部屋の余っている住宅で部屋を貸し、そこに宿泊をさせるというものがほとんどでした。しかしこの業態だと都市郊外の住宅地や地方に多く、あまり市街地からのアクセスが良くありませんでした。
反面、マンション民泊であればその立地は都市部、かつ駅からほど近いことがほとんどです。住宅として建てられている以上ホテルよりは少し劣りますが、その値段を考えれば十分すぎるほどでしょう。
また、利用者側からしても一戸建ての一室を借りるという形であるとホストとの交友も必要で、部屋に鍵がない、トイレ・風呂が共用であることもしばしばです。勿論、ゲストハウス的に交友を楽しみたい、そういった旅をしたいという方にはこれは大きな利点であることも付け加えておきます。
それに対し、完全に個室となるマンションだとホストに気兼ねすることなく利用できるので気楽という点も大きなメリットです。そして事前に鍵の場所を打ち合わせて使ってもらうといった貸し方をすることもあり、ホストと一度も顔を合わせないといったこともしばしばです。全体として、マンション民泊のほうがビジネスライクな印象を受けるかもしれません。
マンション民泊が広げる観光の幅
マンション民泊は観光地へどういった影響を与えるのでしょうか。
最も大きいのは宿泊人数の増加でしょう。今、東京・京都・大阪という定番観光地のホテルはかなりの高稼働率であり、現在次々に建てられているとはいえ以前供給が追いついて居ないのが現状です。
ホテルがこれだけ高いなら、空いていないなら他のところへ行こうか・・・とならないようにも、民泊が中国人観光客を受け止めることは、地域全体にとっても良い影響を与えるのです。
最後に
これまでの民泊のイメージとは大きく異なるマンション民泊。どちらかといえば、ホテルに近いかもしれません。
世界的民泊サイトなどから調べ、日本を訪れる中国人観光客は大勢います。そしてその安さから、長期間滞在する観光客も多いです。近くにマンション型民泊ができれば、近隣の飲食店などにとってもチャンスとなるかもしれませんね。