コラム2019.11.01
こんなに違う?中国と日本で意味の違う漢字
日本語も中国語も、漢字を使いますよね。実は、同じ字であっても意味の違う漢字がたくさんあります。訪日中国人観光客は、日本人とは違う理解をしているかもしれないのです。そんな漢字をご紹介しましょう。
日本と中国、約3割の漢字は違う意味
日本の漢字は、中国から伝わったものです。中国人が日本を安心して訪れられる理由の一つとして、街中に馴染みの深い漢字が多数用いられていることも含まれている
ようです。しかしその漢字、約70%は日本と中国で同じ意味ですが、約30%が違う意味なのです。
中には観光客にも関連が深い漢字もありますから、日本の漢字表記を見て勘違いしてしまう訪日中国人観光客もいることでしょう。
事前に違いを知っておくことで、訪日中国人観光客への案内に役立つかもしれません。
こんなにある!意味の違う漢字
・湯
日本で湯といえばお湯のことですよね。温泉や銭湯に行くと、女湯、男湯と書かれています。でも中国では湯=「スープ」の意味になってしまうのです!
ちなみに、中国で お湯のことは、開水や熱水と書きます。
・注文
日本では料理などのオーダーを意味しますが、中国では「注釈の文章」という意味になってしまいます。
・薬味
薬味といえば、ネギやゴマ、のり、ワサビなど、料理をより美味しくいただいたり、味を変化させたりするために用いる、添えの食べ物のことを意味しますよね。でも中国人が薬味をいう文字を見てイメージするのは「漢方薬」のことです。薬味をつけて食べるとなると、「え?薬つけるの?」となってしまいます。確かに、ネギやゴマなどを指すのに、薬とついているのは不思議な気がしますね。
・聞
日本であれば「聞」という字は、「聞く」以外にはなかなか意味を考えられないと思いますが、なんと中国では「におい」と言う意味があります。
しかし、お香を嗜む人であれば、聞香をいう言葉を聞いたことがあり、なんとなくイメージできるかもしれません。香りを聞くと言うのは、香りを楽しむということなんですよ。
・走
日本では走るとう意味ですよね。でもなんと中国では「歩く」と言う意味になってしまいます。意味が正反対になってしまいますね。
・謝
日本人がこの「謝」と言う文字だけを見ると、どちらかと言うと謝罪の「謝」、謝ると言う意味をイメージする人が多いと思います。
しかし中国で「謝」と言うと「感謝」の方になります。
・汽車
汽車と言うと、蒸気機関車をイメージしますよね。もう少し大きく捉えると電車をイメージする人もいるかもしれません。
しかし中国では「車」のことを意味します。確かに蒸気機関車も電車も、「車」ではありますよね。
・切符
電車やバスに乗るときなどに必要となる切符。いろいろな場面で表記されていますね。でもこれも意味が違う漢字の一つ。中国語では、「票」と言う意味になってしまいます。
・床
日本で床といえば床としか言いようがありませんね。
しかし中国ではベッドのことを指します。
・丈夫
物が丈夫、体が丈夫、といったように、「壊れにくい」、「強い」といった意味がありますよね。例えば何か商品を紹介するときに、丈夫であると表現することもあるでしょう。しかし中国語で丈夫とは「夫」のことになってしまいます。
ちなみに、妻のことは「老婆」と書きます。日本人女性としては、なんだか抵抗がありますね。
また日本ではネガティブな意味のある愛人は、「配偶者」のことを意味します。
・上手
日本で上手は「うまい」と言う意味です。しかし中国では「始める」や「順調」と言う意味になります。「順調」は日本の「上手」にも通じるものがありますね。
最後に
他にも、手紙はトイレットペーパーという意味だったり、娘はお母さんという意味だったり、間違えて解釈すると困ってしまいそうな漢字があります。
漢字があれば、中国人の方は大体理解できるのでは?と思うかもしれませんが、そうもいかない部分もあります。きちんと中国語の案内を出して、正しい情報を伝えてあげたいものです。