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コラム2019.07.08

クルーズ船で日本に押し寄せる中国人観光客

中国人観光客が増える日本の観光シーンにおいて、これまで主な交通手段は飛行機とバスでした。しかし、今クルーズ船で日本を訪れる中国人観光客が増えているのです。
なぜクルーズ船で日本を訪れるのか、またどう対策するべきか、考えてみました。

「大衆」が乗る格安クルーズ船

日本でも、クルーズ船での旅行といえば豪華なイメージを持たれている方も多いでしょう。豪華客船は日本に寄港しただけでニュースになるほどのインパクトがあり、同時に目が飛び出るような高額であることが多いです。

ではクルーズ船で日本を訪れる中国人観光客はすべて富裕層なのでしょうか。実は、そうではないのです。今クルーズ船旅行ではとても大衆化し、比較的庶民の中国人観光客が選択する手段となっています。一泊の値段も7000円前後からと、高級なイメージのあるクルーズ旅行より随分と手頃な相場になっています。

また中国人観光客がクルーズ船を選択する理由として、旅の過程も楽しみたいという考えがあります。中国人は日本人以上に家族を重視します。なので、移動中も同じ部屋で家族と楽しく過ごすことのできる船旅はとても魅力的な選択肢となっているのです。

乗客数が3000人を超えるクルーズ船も珍しくなく、従来のバスツアーなどと比べてそのインパクトは絶大です。ではなぜ日本に、日本のどこにそうしたクルーズ船は訪れているのでしょうか。

日本のどこにクルーズ船が?

日本向けのクルーズ船旅行が伸びている背景は、やはりその距離の近さです。
飛行機での旅行が、中国経済が豊かになったことで東南アジアや欧米への人気が高まる中、クルーズ船の行き先として身近な日本というのはこれからも伸びる分野でしょう。

日本の中でも、中国からのクルーズ船の寄港先としてポピュラーなのは沖縄を始めとし石垣や宮古を周るコース、また高知を中心として四国に寄港するコースです。九州も今伸びている行き先です。なぜこれらの地域が選ばれているのでしょうか?

これらに共通するのは今までの日本旅行の定番であった東京から京都、大阪といういわゆる「ゴールデンルート」から外れていることです。反面太平洋を通じアクセスが容易なので、これまで行きづらかった土地も人気が出ているのです。
四国でトップクラスの寄港数を持つ高知県は、県の観光戦略としてクルーズ船の誘致を打ち出しています。こうした海を玄関口とした観光戦略は、今後更に注目を浴びることになるでしょう。

クルーズ船での観光はいままでとどう違う?

ではクルーズ船で訪れる観光客はこれまでの観光客とどう違うのでしょうか?

買い物に関して、荷物が増えることに対して従来以上に気にしません。これまでの中国からの観光客は「爆買い」に代表されるように多くの買い物を日本で楽しんでいましたがやはり飛行機による荷物制限の壁はありました。
反面クルーズ船だとその荷物にかなりの余裕があるため、かさばる商品でもあまり躊躇すること無く購入します。ただ、繁華街から港までのタクシーなどの交通インフラの充実は必要です。
 
また中国人観光客は沖縄や四国に訪れても、特に沖縄らしいお土産にはこだわりを見せません。あくまでも「簡単に訪れる事ができる日本」の一環としてこれらの街を見ているからです。
そのため、沖縄や離島地域でもやはりドラッグストアや家電量販店、スーパーマーケットなどは人気のスポットです。

例外的なのはサンゴ製品です。中国で人気のあるサンゴは港町から連想されることが多いようで、高知や沖縄では人気商品となっています。

さいごに

クルーズ船による観光は、これまで以上に成長が期待される分野です。
高知県や石垣島など、これまでに観光客がアクセスしにくかった地域にとっても大きなチャンスになるでしょう。
反面、これらの地域は外国人観光客の受け入れ体制が不十分であるケースもあります。海からの来訪者にも楽しんでいただけるよう、おもてなしの心で迎えたいですね。

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