コラム2019.04.27
中国人観光客が日本以上に訪れる国「タイ」。その魅力とは何か?
中国人の海外旅行者数は年々増加し、今年2月の春節も多くの中国人が海外へ渡航しました。その渡航先として一番人気の国はタイで、日本はタイに次ぐ2位という統計があります。中国人から見たタイの魅力に迫り、インバウンド対策のヒントを探ります。
中国人観光客が日本以上に訪れたいと思う国「タイ」
今年の春節(旧正月)は、例年を上回る数の中国人が長期休暇を利用して海外旅行にでかけました。
中国の最大手旅行サイト「携程旅游」(シートリップ)による統計では、今年の春節の海外旅行先人気第1位はタイで、続いて2位が日本、3位が香港という結果になっています。
タイは2018年に引き続きの首位でした。多くの中国人観光客が、旅行先にタイを選ぶ理由について考えてみましょう。
1.街の至るところに中国語表記がある
タイでは、観光地のいたるところに中国語表記があります。そのため、個人旅行で来ている中国人でも、迷うことなく観光を楽しむことができるといいます。
海外旅行において言葉の問題はつきもの。
日本でも外国語表記の取り組みは行っていますが、同時に外国語表記を増やしすぎることは異国情緒を台無しにするのでは、と懸念の声も一部であるようです。
しかし、中国人にとって中国語表記が多いことは、異国情緒が損なわれるというマイナスの印象ではなく、便利で安心できるというプラスの印象につながることが多いようです。
2.街全体が歓迎ムード
タイでは、街のいたる所で中国人観光客を歓迎する雰囲気が漂っているといいます。
特に多くの中国人が訪れる首都・バンコクでは、春節期間に合わせ中国人観光客に向けたおもてなしを街全体で徹底して行っています。
例えば、ホテルではチャイナドレスを来たスタッフがもてなし、街を歩けば、中国人が好む縁起のよい「赤色」や「金色」のランタンや垂れ幕が飾られ、期間限定イベントのステージや屋台が並びます。
春節のお祝いを一緒に行いたいという雰囲気が街の様子からうかがえることに、中国人観光客は感激するようです。
3.タイ料理は口に合いやすい
中国料理とタイ料理は、調理法や味付けなど共通点も多く、タイ料理は中国人の口に合いやすいといわれています。特に家族旅行などでご高齢者やお子様連れの場合は、旅行先でストレスなく食事を楽しめるということはメリットの一つといえるでしょう。
4.安く旅行ができる
タイは日本と比べると物価が安いため、ホテル代を含む旅費や滞在中の食費など費用を安く抑えることができます。
コストパフォーマンスが良いということは、旅行先を選定するうえで重要なポイントになっているようです。
5.タイ旅行の楽しみ方はシンプル
日本には、東京や大阪などの都市部だけでなく、北海道や京都、沖縄など、足を延ばしていってみたい魅力的な場所が多くあります。
中国人観光客は、できるだけ多くの観光地を効率よく回り、充実した旅行にしたいと考えます。観光スポットが多いというのは、日本旅行の醍醐味でもあるのですが、事前に滞在計画を考えるのには時間と労力がかかりますし、初心者にとって少しハードルが高く感じるようです。
一方、タイ旅行の場合は、多くの場所を見て回るというスタイルではなく、滞在中は一つの島にとどまり、泳いだり、海の幸を堪能したりしながらのんびり過ごすことが中国人観光客の基本です。
そのため、旅行の計画を立て慣れない海外旅行の初心者でも、満足できるのです。
6.ビザ取得のハードルが低い
タイ旅行では、15日以内の観光ならタイに着いてから取得可能な「アライバルビザ」の利用ができます。ビザ手続きの簡単さは、タイ旅行人気につながっています。
まとめ
いかがでしたか。中国人観光客をさらに日本へ呼び込むには、彼らの動向に注目しながらニーズを探り、柔軟な対応策を見出す必要があるといえます。
中国人にとってタイは「海外旅行初心者でも気軽に訪れることができる場所」なのでしょう。
日本も、タイにならって「気軽に」「快適に」過ごせる環境作りを進め、それらを訴求することが集客に有効かもしれませんね。