コラム2019.04.21
中国人観光客ばかり!?子どもの体験型施設に来るのは日本人だけじゃない
さまざまな観光地で見かける中国人観光客ですが、子連れが多いなと感じたことはないでしょうか?中国人の多くが、日本は子どもの教育に最適な国だと考えているようです。子連れの中国人観光客が考える、日本の魅力とはどこにあるのでしょうか。
中国人観光客の34%が家族や親せきと来日
JNTOが発表している2018年の訪日外国人消費動向調査をみてみると、中国人観光客が来日する際の同行者は、「家族・親せき」が34.3%でトップ、ついで「自分ひとり」が16.6%、「夫婦・パートナー」が15.0%という結果になっています。
特に、中国人観光客に子連れが多いというわけではありません。他のアジアの国々も、だいたい30~40%前後が家族や親せきと日本をおとずれています。家族での旅行先に日本を選ぶ理由として、「フライト時間が短く、子どもがいても行き来しやすい」「治安がいい」というのは、他のどの国でも同じでしょう。
しかし、中国人観光客は違います。彼らは、自分の子どもの教育の一環として日本旅行をしているようです。
教育熱心な中国人にとって日本は学びの場
中国は、とても教育熱心な国です。筆者が子どもを連れて、とある体験型施設を訪れたときも中国人観光客の多さにとまどいました。日本の子どもと同じように中国人の子どもたちも職業体験や実験に目を輝かせていましたし、日本の親と同じように中国人の親もスマホで我が子の写真を何枚も撮影していました。
中国にも同じような体験型施設があるようですが、そのクオリティや施設の数でいうと日本のほうが勝っているのではないでしょうか。日本なら子どもの年齢にあった、さまざまなタイプの施設を選ぶことができます。
「我が子には周りの子どもよりもいい経験をさせたい」という心理が、日本の体験型施設や学びを取り入れた施設に足を運ぶきっかけになっているようです。
また、中国人の親は中国とは違った日本の礼儀作法や治安のよさを子どもに学んでほしいと思っています。
中国では闇ガイドが横行していますが、日本の観光地で怪しいガイドを見かけることはほぼないでしょう。日本人に道を聞けば誰もが親切に教えてくれる、公共の場では順番を守って並んで待っている、そんな日本の社会を子どものうちに体験することで、視野を広げるきっかけになると考えているようです。
子連れに優しい日本の宿泊施設
そんな子連れの中国人観光客をさらに感動させるのが、日本の行き届いたサービスです。
子連れ歓迎の施設には、たいてい授乳室やオムツを変えるスペースが用意されています。授乳室にはゆったりと座れるソファ、ミルクを作るためのお湯、汚れたオムツを入れるビニール袋、手をふれずに入れられる清潔なゴミ箱もあります。
宿泊施設なら、子ども用の椅子や食器が頼まなくても出てきます。赤ちゃん歓迎の宿であれば、オムツや綿棒、おしりふきなどが無料で準備されていることも珍しくありませんよね、
日本人からすればあたりまえのサービスが、中国人観光客には驚きなのです。小さな子どもが一緒でも、安心して快適な旅ができるところにも日本の魅力を感じているのはないでしょうか。
まとめ
子連れの中国人観光客が日本を選ぶ理由は、魅力的な体験型施設や学びを取り入れた遊び場、子連れに優しい日本の行き届いたサービスにあったようです。
一人っ子政策も見直されつつある中国では、今後もますます教育熱が高まると予想されます。子どものこととなると、財布の紐がゆるくなるのは日本人も中国人も同じです。日本の多様な知育玩具をお土産として買い求める中国人観光客も多いといいます。
インバウンド対策のひとつとして、子連れの中国人観光客にターゲットをしぼってみるのもいいかもしれませんね。