コラム2019.02.03
LCCの「国内線」に中国人観光客が?拠点型観光とは
今インバウンド業界でも注目されているLCC。日本から海外に行く観光客はもちろん、来日する外国人観光客に使われるケースも多く、インバウンドにも大きな影響を与えています。
しかし近年、国際線のLCCだけでなく、国内線のLCCにも注目があたっているのです。
なぜ国内線LCCを活用?
中国から日本へ訪れる観光客は、比較的長い時間滞在します。
そういったときに、同じ一つの街に留まってじっくり観光…というケースはあまり見られません。
どちらかと言えば、この日数内でできるだけ観光!というパワフルな回り方をするケースが多いものです。
そこで、費用、時間の面からも国内線LCCが注目されているのです。
これまで、日本国内のLCC線といえば主要都市を結ぶものがほとんどでした。
しかし近年、多くの地域が観光客の誘致を目的としてLCCを誘致しています。
それによって、多くの行き先が選択肢として生まれてきました。
例えば日本一のLCCの拠点関西国際空港を例に取ると、近年、釧路、熊本、奄美大島といった路線が開設されました。
こういった地域は観光にもとても魅力的で、LCCがアクセスの利便性を高めています。
どうやってLCCを活用しているの?
日本人でもLCCを使うことに抵抗がある人は多いかもしれません。
サービス面の問題もありますし、手続きの点でもほとんど自分で予約し、現地でも自分で行うので少しハードルが高いかと思います。座席幅を気にする人も多いでしょう。
そんな中、外国人観光客が日本ローカルのLCCを使うことに抵抗感はないのでしょうか?
実は、特にヨーロッパでは日本を遥かに超えるLCC天国なのです。
ライアンエアーやイージージェットといった会社が主な運行元ですが、うまく活用すればロンドンからスペインまで3000円もせずに移動したりすることができます。
そうした中、ヨーロッパ方面によく旅行する観光客はLCCの使い方を熟知していることが多いのです。
また、予約の助けになっているのが航空券検索サイトです。
代表的なものですとイギリス発の検索サイト、スカイスキャナーなどがあります。近年ではグーグルにもこうした機能が追加されました。
こうしたサイトを介せば、言語の壁があっても一括で航空券を検索できます。
また料金で比較するので、自然とLCCへ手が伸びるものです。
座席幅については、外国人観光客にも悩みの種だそうです。
中国国内と比較すると大差ないのですが、やはり欧米系と比べるとかなり狭くなるので、利用してから驚いたという観光客も多いようです。
LCCを活かした「拠点型観光」
では、こうしたLCCを生かして次々に観光地を周る、と考えたときに、どうしてもネックになるのが空港からの距離です。
日本のLCCの拠点は関西国際空港、ついで成田空港です。しかし両方ともアクセスはあまり良いとは言えません。
またLCCは預け手荷物が有料であることがほとんどです。
なので、空港近くにホテルを連泊で借りて、日帰りのLCCで各地を回る「拠点型観光」がブームになっているのです。
スーツケースをホテルに置いたまま行けるので、とても身軽です。
また飛行機を使えば日本国内であれば非常に短時間で移動することができるので、向かった先でも十分に観光する時間をとることができます。
最後に
今までの観光と言えば、なるべく街の中心地にホテルを取って徒歩で観光し、その夜はホテルに帰るということがほとんどでした。
しかし今日本は慢性的なホテル不足で、東京や京都の中心部にホテルを取ると、とても高い値段になってしまいます。
ですので郊外が多い空港にホテルを取れば空港へのアクセスも良く、値段も安くなるという一挙両得の作戦なのです。
また、これまであまり滞在時間がなかった空港周辺にもお金を落とすケースが増えるので、これまでになかったインバウンド需要を引き起こしています。
数多くの地域をまわって、これまで注目されていた定番都市以外でも日本の魅力を知ってもらえるのは日本にとってもプラスとなることでしょう。ぜひ、そうした魅力を発掘していただきたいですね。