コラム2019.01.26
中国人はネットの情報を信用してる?中国人観光客のネット事情
日本では、観光をする時インターネットで下調べをすることは最早当たり前になりつつあります。
では、中国人観光客はどういった情報を見て観光をしているのでしょうか?
規制が厳しいイメージがある中、どのような媒体で下調べしているのでしょうか。
中国のネット事情は?
中国人のネットとの距離感は日本人よりもずっと近く、生活とインターネットは密接に関わっています。
SNSや通販サイトなども盛んで、観光の情報などもインターネットを介して収集していることがほとんどです。
反面、日本人がイメージする通り大変に規制が厳しいのが中国のネット事情でもあります。日本人がよく使うFacebookやTwitterといったSNSは使えないものがほとんどで、海外のウェブサイトでも見ることができない場合が多いです。
訪日外国人向けに中国語対応したウェブサイトを作っても、あまりアクセス数が伸びない原因はここにあります。
また中国産のSNSなどでも発言、投稿が規制されるケースも多いです。体制に反対する投稿、歴史問題に関する投稿はもちろんのこと、日中関係が悪化した際には日本に関する投稿が多く規制されました。
最近では、尖閣諸島の国有化を巡って日中が激しく対立した際、旅行業界も大きな打撃を受けました。今の活況は、その時よりずいぶんと関係が改善されているからとも言えるでしょう。
また現在アメリカ、カナダと中国がインターネットを巡って強く対立していることから、今後アメリカ産のメディアが中国でさらに使えなくなることが予想されます。
こうしたサイトへの投稿、広告などは訪日中国人観光客には届かないと思っていたほうが無難でしょう。
中国ではどんなサイトが見られている?
旅行計画の際に開くであろう主なウェブサイトには、次のようなものがあります。
①微博(ウェイボー)、微信(ウィーチャット)、テンセントQQのようなSNS
中国で、TwitterやFacebookの代わりとなっているのがこうしたSNSです。SNSは日本よりもさらに盛んに活用されています。
微信はもちろん、テンセントQQも中国人の中で特に高いシェアを持っています。若者の人気が突出して高いと言えるでしょう。
ウェイボーは日本語にも一部対応していて、日本人でも簡単に使うことができます。
②新浪(シナ)、網易(ワンイー)などのポータルサイト
こうしたポータルサイトは日本ではヤフーのようなイメージが近いかと思われます。
新浪は最大手サイトであり多くの人はまずこのサイトを開きます。
網易はゲームなども展開していて、若者に人気の高いサイトです。SNSと異なり能動的に情報を乗せることは難しいですが、目にする回数としては非常に多くなります。
③大众点评网(Dian ping)などのレビューサイト
Dianpingは日本で言うところの食べログのようなもので、飲食店のレビューが多く掲載されているサイトです。
多くの中国人は飲食店を選ぶ際このサイトを参考にすると言われています。日本の飲食店も、一部掲載されています。特に東京は専用ページがあり、とても充実した内容が掲載されています。
東京で飲食店を営んでおられる方は、無視できない存在と言えるでしょう。
最後に
中国のインターネットは、その強い規制から独自の進化を遂げてきました。
なので、外から見た場合にどういった構造になっているかとても分かりづらいです。
しかし、日本人以上に密にインターネットと接している中国人。観光などの情報もインターネットを通じて仕入れる場合がほとんどです。
そうした中国人の消費行動を理解するためには、こうしたウェブサイトがあることを頭の片隅に置いておくことがとても役に立つでしょう。
さらに活用できれば今の中国における観光のトレンドなども把握できるので、ぜひ中国独自のネット事情を理解し、活用してみてはいかがでしょうか。