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コラム2019.01.22

中国人観光客にも多いムスリム 知られざる中国のハラール事情とは?


一般にイスラム圏というと、中東や東南アジアのイメージが強いかもしれません。
しかしながら、中国にも多くのイスラム教徒がおり、対応をあやまると大きな問題にもなりかねません。
どういった方がムスリムで、どう対応するべきなのでしょうか?解説します。

中国のイスラム教徒(ムスリム)とは?

日本人は中国の方たちを「中国人」といった目線でくくりがちです。そうした一般的な中国人のイメージは、「漢民族」が当てはまると思います。
しかし中国は世界有数の多民族国家で、宗教や民族も非常に複雑です。そして、日本に来る中国人観光客も多様な民族や宗教から成り立っています。

そんな中でも、対応を頭に入れておくべきはイスラム教徒の方たちと言えるでしょう。
もちろん彼らが危険な思想をもっているというようなことはまずなく、彼らの持つ風習や宗教観を理解すれば、何も恐れることはありません。

中国にイスラム教徒?と思われる方も多いかもしれません。中国の少数民族の中でも、回族、 ウイグル族、 カザフ族、 トンシャン族、 キルギス族といった民族はイスラム教を信仰しています。もっとも人口が多いのは回族で、イスラム教徒の総数は2千万から3千万人ほどと言われています。

中国の人口からすれば3千万人という数は決して多いとは言えませんが、それでもかなりの人口になります。また近年所得が増えてきて、こういった地域から日本に旅行に訪れる方も急増しています。

中国の観光ツアーは地域ごとに団体で訪れることも多いので、イスラム教徒の多い地域の団体を迎えてみれば大多数がイスラム教徒、といった場合も十分にありえます。なので対応を是非一度検討してみて下さい。

中国人観光客にも気をつけるべき「ムスリムフレンドリー」な対応

イスラム教徒の方を迎え入れるうえで気をつけるべき対応のことを、「ムスリムフレンドリー」といいます。
これは、イスラム教徒にも優しい、といった意味で、イスラム教徒に十分に配慮している施設に対して呼ばれます。

イスラム教徒対応やハラールと聞くと膨大な設備投資費がかかるイメージがありますが、気軽に始められることもあります。

その一つが、「礼拝所」の設置です。イスラム教徒は日に数度メッカに向かってお祈りをします。水場、礼拝マット、礼拝時刻表、キブラ等を設置した部屋を作ることで簡易な礼拝所を作ることが可能です。
基本的にはあまり広い部屋が必要なことはありませんので、使っていない空き部屋を活用する手段として一度検討してみてはいかがでしょうか。

また中国におけるムスリム文化として、清真料理(チンチェン料理)というものがあります。これはイスラム教徒向けの食堂のようなもので、豚肉を用いず、マトンなどの羊肉や牛肉を提供しています。

本来イスラム教徒向けのお店でしたが、近年その健康効果や料理の美味しさが着目され中国全土に広がりを見せています。中ではお酒を提供する店もあるなど、中国の食文化に組み込まれつつあります。
人口に占める割合は少ないまでも、中国の文化の中でイスラムは確かな存在感を放っています。清真料理の代表的なメニューである蘭州ラーメンは、日本でも聞いたことがある人もいるかも知れません。

最後に

中国人旅行客が主なターゲットである施設の場合、わざわざ多額の設備投資を行ってハラール化を推し進める必要はあまりないかと思います。
しかしながら、すでにハラール化を行っている施設の場合、中国人の中でも回教徒に絞ったマーケティングを行えば、そのシェアの多くを獲得できるかと思われます。
いずれにせよ、中国には少なくない数のイスラム教徒が存在することを頭に置いた上で、お互いが満足のできるおもてなしの体制を整えておきたいものですね。

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