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コラム2018.10.24

WeChatPayを活用する中国の無人コンビニ。その実態とは?

WeChatPayを活用する中国の無人コンビニ。その実態とは?

中国の小売業界は日本と同様に人材不足と人件費高騰が大きな課題であり、そうした背景からIT技術を用いた店舗管理やWeChatPay等のスマホ決済を導入した「無人コンビニ」が広がっています。中国の無人コンビニの実態について解説しましょう。

中国の無人コンビニの仕組み

中国にはIT技術を取り入れた無人型のコンビニが浸透しています。その先駆けともいえるのが「Bingo box(ビンゴボックス)」と呼ばれているコンビニです。

Bingo boxには常在している従業員はいません。無人店舗で買い物をする際のフローはどのような仕組みになっているのでしょうか。

まずBingo boxに入店するためにはスマホが必要となります。入口でWeChatPayのQRコードを活用し本人確認を行います。(※WeChatPayとは日本でいうLINEに近いアプリ「WeChat」を利用した決済システムのこと)

店内商品には全てRFIDタグ(近距離無線タグ)がついているので、精算用スキャナーの上に欲しい商品を置くと自動精算されます。あとはWeChatPayなどでスマホ決済を済ませれば自動で出口が開くという仕組みになっています。

Bingo boxの店舗拡大戦略

Bingo boxは、どこにでも簡易に設置できるコンテナ型店舗が主流です。店内の広さは、中型(4.8×2.6m)と大型(6×2.6m)の2種類があり、それぞれ500種類、800種類の商品を陳列することができます。

小規模店舗のため、ショッピングモールに駐車場や、住宅街、学校、ビル内の一角など様々な場所に出店が可能ということが強みであります。

出店場所を確保したら即店舗オープンするということを繰り返し、売り上げは後々、認知度を上げ集客へとつなげればとよいという戦略のもと、半年間で300店という驚異的なスピードで店舗展開をしました。

Bingo boxの防犯対策

完全無人の店舗ですが、実際に万引きや意図的な器物損壊の被害はほぼないとのこと。では防犯対策はどのようにしているのでしょうか。

そもそも入店の際にID認証を行い個人特定しているので、店内において悪さが出来ない仕組みであることが前提です。

〈他人のIDを利用し、なりすまして入店するとどうなるのか〉

店内の設置カメラが入店した人物とIDで認証した人物を確認。顔認証が一致しないとみなせば、アラームが流れます。そしてデータベースと照合し侵入者が誰なのかの特定まで行います。

〈店内で万引きするとどうなるのか〉

ITシステムによりすぐに人物が特定されます。そして万引き犯のWeChatアカウントへ警告通知が届き“持ち出した商品代金を支払う”もしくは“ブラックリストに載る+警察に通報”の選択を迫ります。

なお、ブラックリストに載るということはスマホ決済アプリでの信用スコアが下がり、最悪の場合はスマホ決済が使用できなくなることもあります。スマホ決済が主流の中国において、これは生活に関わる大きな痛手となります。

無人コンビニの課題

無人コンビニでは人が常在しないため、商品は基本的に自動発注を行います。そのため地域ごとのイベントや顧客の食の好みなどを考慮したフレキシブルな対応は苦手。発注をコントロールできないということは販売機会ロスも生じかねません。

また、従来のコンビニと比較して、商品の品質チェックなど、商品管理を細やかに行うことができないので、扱う商品はどうしても賞味期限が長めのスナック菓子・缶飲料など主になってしまい、品揃えについても課題が残ります。

まとめ

いかがでしたか?無人コンビニは、日本でまだなじみがありませんが、日本でも中国と同様に多くの業界で人手不足が深刻になっています。
そのため、QRコードやICカードを使ったキャッシュレス決済や無人レジ導入を視野に入れる企業が増えてきています。実際、ローソンでは今春、独自のセルフ決済サービス「ローソンスマホペイ」の実証実験を行いました。

買い物をする際、商品の質だけでなく、サービスの良さも付加価値として評価する傾向がある日本人。日本人独自の消費スタイルに合わせた「日本流・無人型コンビニ」がオープンする日も近いかもしれませんね。

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