コラム2018.09.12
中国人観光客から大人気！沖縄が注目されるそのワケは？
日本人の国内旅行でも人気の沖縄ですが、最近では国際通りに中国人観光客が溢れているといいます。
これまでは、ゴールデンルートで爆買いばかりしていた中国人観光客、今はどんどん地方へ足を伸ばしています。沖縄が彼らに注目されている理由を探りました！
データで見る中国人と沖縄
まずは、沖縄にどれくらいの観光客が訪れているのか、沖縄県の文化観光スポーツ部 観光政策課が公表しているデータを見てみましょう。
平成29年（暦年）の観光客数は、前年比9．1％増の939万6200人でした。うち、外国人観光客は254万2200人で、こちらは前年比22．1％増となっており、飛躍的に伸びていました。沖縄を訪れる外国人観光客の内訳は、１位が台湾、次いで韓国、第３位に中国と続きます。
過去3年のデータを見ても、この3か国が上位を常に占めており、毎年来域者数を増やしています。沖縄県もこれらの地域を重要な市場ととらえ、プロモーション活動に力を入れているようです。
さらに、同課が平成29年の6月に発表した外国人観光実態調査の概要を読み解くと、沖縄を訪れた中国人観光客のうち9割が初めての沖縄旅行だったと回答しています。旅行中の消費額は中国人が群を抜いて高く、特に土産物の支出は他の地域の倍近くを費やしています。
団体旅行のイメージが強い中国人ですが、沖縄に限ってはフリープランのパッケージ旅行と個人旅行を合わせた割合が約７０％となっていて、旅行の満足度は９５％を超えていました。
沖縄を訪れる理由
年中暖かで快適な気候、青い海と青い空、美味しい郷土料理に沖縄の人々のおもてなし等々、私たち日本人にとっても沖縄は大変魅力的です。しかし、沖縄人気には中国人ならではの理由があります。
最も大きな理由は「沖縄数次ビザ」の存在です。これは2011年に発給されたもので、条件を満たす中国人に対し、個人旅行で沖縄に１泊以上した場合、その後3年間はいつでも好きなだけ沖縄を訪れることができるというものです。
実は、このビザを取得するには相当の経済力が必要になります。そのため沖縄数次ビザを持ち、ツアーではなく個人旅行で沖縄を旅行してきたということが、中国人のステイタスになるのです。
他にも、中国本土からのアクセスがいいことも理由に挙げられます。上海からなら約2時間で到着しますし、直行便も増えています。また、空路だけでなくクルーズ船でも沖縄に行くことができます。クルーズ船は寄港数も年々増加しており、交通アクセスに空路と海路の選択肢があることも魅力ではないでしょうか。
中国人観光客向けサービス
沖縄も中国人観光客の利便性向上のため、様々な工夫を凝らしています。中国人には一般的なモバイル決済、ＷｅＣｈａｔ Ｐａｙが県内各地で導入され始めています。
沖縄のメイン通りである国際通りのお土産物屋はもちろん、中国人観光客の多くが利用するタクシー、コンビニやスーパー、首里城や美ら海水族館といった観光地周辺にもＷｅＣｈａｔ Ｐａｙが使えるお店が広がっています。
特にタクシーは、中国人観光客の取り込みに力を入れています。これは、コミュニケーションがとりやすい、違法な「白タク」に流れている顧客を取り戻すためです。沖縄のタクシーでは言語対応のためにタブレットを導入し、ほとんどの車内でモバイル決済が可能になっているそうです。
国際通りを歩けば聞こえてくるのは中国語ばかりというくらい、中国人観光客は沖縄の街に溢れています。しかしまだ、沖縄にくる中国人の大半は初めて沖縄を訪れた人ばかりです。彼らを沖縄旅行のリピーターにする為には、沖縄の旅をさらに快適にするサービスの向上が求められるのではないでしょうか。