コラム2018.01.15
中国人観光客の旅行消費を継続させるには?中国人が爆買いする理由に迫る!
中国人観光客と言えば「爆買い」です。彼らの代名詞のようになっていますが、そもそもなぜ中国人は爆買いをするのでしょうか?中国人観光客が爆買いをする理由と、今後も爆買いを継続させる方法を考えてみたいと思います。
中国人観光客が爆買いをする理由は?
なぜ中国人観光客は日本に来て、なぜあれほどまで多くの日本製品を購入していくのでしょうか。その理由は3つあると考えられています。
1つ目は、「日本製品の高品質・高性能への信頼」があります。中国人にとって日本製品を使用していること、身に着けていることが一種のステイタスになっているのです。2つ目は「現在の為替レートが元高・円安になっていること」、そして最後に「中国国内の税制による内外価格差」です。具体的に言うと、現在の中国の税制上、ある日本製品を日本に来て購入し、持ち帰ったほうが、中国国内で買うよりも半額程度安くなることがあるのです。中国人観光客にとっては、海外旅行を楽しめるうえに、性能のいい日本製の品物が自国より圧倒的に安く買えるとなれば、訪日意欲が高まることはうなずけるのではないでしょうか。
訪日外国人の旅行消費額
日本の経済成長にとって、観光産業は大きな鍵です。政府が掲げている、訪日外国人観光客の旅行消費額は、2020 年の全体消費額の目標で、2015 年の2倍を超える8兆円、2030年で15兆円としています。2015年から2030年の15年で、4倍以上の伸びを見込んでいるのです。さらに、1人当たりの消費額は、2020年に大台の20万円にのせ、2030年には25万円に到達させようとしています。現在の1人あたりの消費額は約16万円ですので、約10年強で10万円近く増加させようとしているのです。
以上のような訪日外国人観光客の消費額を目標数値に近づけるためには、やはり中国人観光客の消費を衰退させず、さらに伸ばしていくことが重要です。日本政府観光局(JNTO)が出しているデータを参照すると、2017年の1月から10月の国籍別の訪日外国人数は中国人がトップで、全体の4分の1以上を占めていました。中国人観光客が最も多く来日する傾向は、今後しばらく続くと予想されます。
もっと爆買いしてもらうには
中国人の爆買いの要因は先ほど挙げた通りです。日本製への信頼は日本国内の企業努力で継続することは可能ですが、為替や中国国内の税制はいつなんどき大きな変化があってもおかしくありません。では、どのようにして中国人観光客に爆買いを継続してもらえばいいのでしょうか?答えは簡単ではありませんが、「たとえ旅行費用が高くても日本に行きたい」と思ってもらえるよう、観光施設の充実や利便性の向上、ありとあらゆる手を尽くす必要があるのではないでしょうか。
利便性向上策の一つとして、政府は2020年までに、主要な観光地等における「100%のクレジットカード対応化」の実現を目指しています。キャッシュレス化は世界的な傾向であり、特に中国でのキャッシュレス化の波は凄まじいものがあります。例えば、日本が中国のようなキャッシュレス社会になれば、中国人観光客の財布の紐はもっと緩くなるかもしれません。
しかし、もっと簡単で実用的なキャッシュレスがスマートフォンアプリの決済機能である「WeChat Pay」です。専用端末にQRコードを読み込ませるだけで決済が完了する手軽さがうけ、中国国内で急速に広まっている決済方法です。政府はクレジットカード対応を進めていますが、個人的には、クレジットカードよりも「WeChat Pay」の導入を検討した方が、中国人観光客には歓迎されるのではないかと思っています。
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