コラム2017.11.15
インバウンドの間で人気急上昇のホテルは、カプセルホテル!?
今、中国人観光客を中心としたインバウンドに人気のホテルがあります。それはなんとカプセルホテル。日本新華僑報でもその人気が報じられたとか。ドミトリーとはまた違った日本独特のカプセルホテル。その人気の理由を探ってみました。
カプセルホテルとは?
インバウンドから注目されているホテルの一つであるカプセルホテルですが、まずは具体的にどんな施設なのかをみていきましょう。
大きな客室内にカプセルのような2段の簡易ベッドが複数並べられていて、鍵はかからないものの、ブラインドやカーテンなどで仕切られています。鍵がかけられないのは、カプセル型ベッドはあくまでも法律上家具扱いであるからだそうです。中はどうなっているかというと、寝具はもちろん、照明、テレビ(イヤホンを使って視聴する)が備え付けられていて、最近は電源が備えられていることも多いです。またカプセル自体に鍵がつけられていないので、鍵付きのロッカーが備え付けられていることも多いでしょう。出入り口が足側にある縦型カプセルのイメージが強いと思いますが、横型のものも存在しています。
お風呂やシャワーが共用施設として備えられていますので、体を清潔にして眠るということは問題なく可能です。
何よりリーズナブルに宿泊できることが魅力ですが、基本的に遮音性はないため、音に敏感な人には辛いかもしれません。
旅館業法では、ホテル、旅館、簡易宿泊所、下宿の4つが定められています。それぞれを簡単に説明しますと、ホテルとは西洋客室を主体とし、9㎡以上の客室が10室以上あるもの。旅館は和式客室を主体とし、7㎡以上の客室が5室以上あるもの。簡易宿所は客室を多数人で共用し、延べ床面積が33㎡あるもの。下宿は一月以上の期間を単位とするもの、となります。このうちカプセルホテルは簡易宿所に該当するのです。
ホステルなどのドミトリーは海外にも存在しますが、このカプセルホテルという形態はほとんど海外では存在しません。インバウンドにとって珍しい、日本ならではと言えるホテル(施設)なのです。ちなみに日本に初めてカプセルホテルが登場したのは1979年、大阪(梅田)のカプセルホテル・イン大阪です。
世界的に珍しい宿泊施設として注目
先にも述べたように、カプセルホテルのような形式のホテルは、海外にはほぼ存在していません。インバウンドにとっては、狭い日本ならではの極小ホテルという、一つの観光名所のようになっているようなのです。様々な日本オリジナルを体験したいインバウンドにとって、最適の宿泊先とも言えますね。
リーズナブルで立地が良い
日本で初めてできたカプセルホテルも、大阪は梅田という都会の真ん中にできていましたが、カプセルホテルはリーズナブルなのに立地が良いことが多いです。終電を逃したサラリーマンや学生が利用するといった元々の背景もあれば、カプセルホテルは比較的初期投資が小さい上に工期も短くて済むため、短期間での開業が見込めますし、構造上単位面積当たりの収益性が大きいことも関係しているでしょう。都会の中で古くなったり、競争力が低下したりしたオフィスビルや商業施設の一角をカプセルホテルにして、収益物件化することも多いです。
街の中心部であったり、観光地まですぐに行けたりする上にリーズナブルとなれば、日本オリジナルの宿泊施設ということに加え、インバウンドにとってのプラスアルファの価値となります。
以前のカプセルホテルとは違う、設備やサービスの充実
インバウンドの増加とインバウンドからの注目に伴い、女性や外国人観光客をターゲットとした、これまで以上に設備やサービスの整ったカプセルホテルが多数できていきました。寝具などカプセル内の工夫に留まらず、オシャレなバーを併設するなど、共有施設への工夫も見られます。インバウンド、特に中国人観光客はSNSなどの口コミでカプセルホテルの評判を聞き、物珍しさだけでなくサービスの充実ぶりを知って利用意欲を高めているようです。
一番のインバウンド集客ポイントは、日本オリジナル
カプセルホテルのイメージは、終電を逃したサラリーマンがとりあえずの寝床として選ぶようなものだという人もいるかもしれません。今は駆け込み利用よりも、インバウンドをはじめとする予約利用のお客様が増えているようです。インバウンドの利用割合も3〜5割と高いカプセルホテルも多く、これからもっと増えて行くかもしれませんね。
カプセルホテル人気の最も大きなポイントは日本オリジナル。ホテル同様他の業態でも日本オリジナルをうまくアピールすることで、中国人観光客をはじめとするインバウンドを、より惹きつけることができるのではないでしょうか。
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