コラム2017.09.23
インバウンドニーズをつかめ!訪日中国人の3つのニーズ変化
2015年には「爆買い」という言葉が流行語にノミネートされ、世間を騒がせてから早2年。中国人の訪日ブームは継続中ですが、その中でニーズは徐々に変化しています。今回はインバウンドビジネスを狙う方は是非知っておきたい3つの変化をご紹介します。
訪日目的は「買う」から「見る」「体験する」へ
中国人観光客の代名詞とも言える「爆買い」。街のドラッグストアや、家電量販店には中国人観光客向けに、中国語対応のスタッフの配置や、中国語の看板設置などこぞって受け入れ態勢を整えたほどです。中でも人気が高かった商品は、魔法瓶や炊飯器。ドラッグストアで売られるコスメ類など日本製で高い品質が保証されているアイテムです。赤ちゃんのオムツも人気が高く、ドラッグストアに行ってもオムツが買えないと困ってしまう日本人が出てくるほどでした。
しかし、2年経ち彼らの消費意欲が落ち着き始めた今、訪日目的は「買う」から「見る」「体験する」へと変化してきています。人気が高いのは、中国人のみならず外国人観光客に圧倒的に人気のある「富士山」。見るだけではなく、実際に登山をする観光客もいます。その他、京都観光や着物の着付けなども人気があります。最近では、「日本=カワイイ」アニメやアイドルのイメージから、日本に来た際に美容室で日本のアニメのキャラクターに変身したり、日本で人気のあるヘアメイクをしてみたりする中国人も増加しているようです。競争の激しい美容室業界。そこから1つ抜け出すには、そうした中国人観光客の受け入れ体制を整えインバウンドニーズに応えるということが、ターニングポイントになるかもしれませんね。
支払いは「現金」から「Wechat」へ
日本人の国内での支払い方法は未だクレジットカードはおろか、もっぱら現金が主流ですが、中国人の支払いの主流はクレジットカードを経て今やスマホ決済。その背景にあるのが、中国ではもはやインフラと言っても過言ではないアプリ「Wechat」の存在です。
「Wechat」というワード自体、初めて耳にしたという方も多いかと思いますが、LINEの中国バージョンと言えばイメージがつきやすいでしょうか。WechatはLINEのようにコミュニケーションツールとしての利用はもちろんですが、他にも日常生活で使える様々な機能を備えています。その中の1つが決済機能なのです。ショッピングの際だけでなく、宿泊先での支払い、映画館での支払いなどあらゆる決済シーンで利用することができるため、中国国内では上海など大都市だけでなく、地方都市ならほとんどの場所で利用できるようになっています。なので、中国人は現金を持たないということが習慣化しつつあります。そうなると、当然日本に旅行して支払いをする際にいちいち現金を出すというのはとても煩わしいことに感じられます。
多くの中国人観光客を迎え入れる側としては、できるだけ気持ち良く過ごしてほしいですよね。そのツールの1つとして、Wechatの利用を可能にするための設備を整えるというのもありかもしれません。
訪日は「団体」から「個人」へ
ここ1~2年の変化の1つとして、団体旅行がメインだった中国人観光客が徐々に個人旅行での訪問にシフトしているということがあります。確かに、最近は以前ほど中国人観光客の団体を目にする機会が減っているような気がしますよね。初回訪問で団体旅行を利用し、日本観光のゴールデンコースを一通り堪能した方は、2回目以降は個人旅行で自由に観光をする傾向にあるようです。なので、今後は「個人旅行客をいかに呼び寄せるか」がインバウンドビジネスにおいては1つの鍵となります。他にはない、日本らしさと唯一無二の個性の2つを兼ね備えたサービスや体験を見出し提供していくことが、インバウンドビジネスを成功させる突破口になるに違いないのではないでしょうか。
いかがでしたか。中国人観光客のニーズ変化をいち早くキャッチし、インバウンドビジネスの競合に打ち勝ってください。