コラム2017.09.18
中国人観光客、次なる目的地は地方都市!?今すぐ出来るインバウンド対策とは?
「爆買」という言葉も定着し、中国人観光客の姿はすっかり日常の風景となりました。日本の経済活動を支える中国人観光客ですが、最近では「こんなところに中国人が!?」と思う土地でも見かけるようになり、驚かされることもあるのではないでしょうか。
中国人観光客のトレンドとは
改めて、中国人観光客の多さを数字で確認してみたいと思います。日本政府観光局(JNTO)によると、2016 年の訪日外客数は前年比21.8%増となり、2403万9000人でした。これは統計を取り始めてから、過去最高の人数になるそうです。中でも、中国からの訪日者数は前年比27.6%増の637万人となり、2015年に続き最大の訪日旅行市場となっています。
また、彼らの半数以上は複数回日本を訪れたことがある、リピーターと言われています。当初は、三大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫などの首都圏、中京圏、近畿圏をさす)と言われる地域に偏りがちでしたが、最近では地方部への流入も増加傾向にあるのです。観光庁観光戦略課調査室の調査によると、中国人観光客のうち、2大都市圏(首都圏・近畿圏)のみ訪問した人は33%に対し、2大都市圏と地方を訪問した割合は55%、地方のみを訪問した割合は12%でした。つまり、中国人観光客は「2大都市圏(首都圏・近畿圏)と地方訪問」及び「地方のみ訪問」を合算した、約7割弱が地方を訪れているというのです。この数字は、他の国の訪日観光客と比べても群を抜いて高くなっています。都市部を飛び出した彼らは、景勝地の観光はもちろん、温泉や旅館への宿泊、日本酒などの地酒を飲むことを目的にしているようです。
地方への進出
以上のような傾向から、各自治体は総力をあげてインバウンド対策に取り組んでいると言っても過言ではありません。各県の努力がそのまま、宿泊者数や来訪者数の増加に繋がっていくのです。しかし、行政の努力によって訪日中国人観光客を呼び込むことが出来たとしても、彼らがその土地で必ず莫大な遊興費を使うかと言うと、その保障はありません。
都市部以外でもお金を使ってもらえるかは、店舗側でいかに中国人観光客の手間を省くかがポイントです。とはいえ、インバウンド対策の導入は簡単に費用をかけずに対応したいところです。
すぐにできるインバウンド対策
購買時のインバウンド対策といえば、言語とキャッシュフローが基本ではないでしょうか。
まず、言語対策ですが、中国の方は漢字が読めます。リピーターが多いのも、なんとなく言葉が分かるために旅行中のストレスが少ないことが一因だと言われています。
売り買いの際の、細かいニュアンスは難しいでしょうが、大筋は伝わると考えて問題ないと思います。万全を期すためには、スマートフォンアプリなどを活用するのもいいでしょう。ですので、言語については、中国語を話せる従業員を雇うといった大がかりな手を打たずとも切り抜けられるかもしれません。
次にキャッシュフローです。中国人のクレジットカードといえば、「銀聯カード」が主流です。世界一発行枚数の多いクレジットカードと言われています。しかし、今注目されているのが「We Chat Pay」というスマホマルチ決済システムです。日本でいうLINEのようなアプリを使って、簡単に支払いが出来るのです。「We Chat」というSNSアプリのユーザー数は10億人とも11億人とも言われています。
店舗側の導入はとても簡単で、タブレット端末さえあればその他のハードは必要ありませんし、支払いの際も購入者が端末にQRコードを読み込ませるだけなのです。
次の中国人観光客ブームは、いつどこにやってくるかわかりません。簡単にできるインバウンド対策を、一度検討してみてはいかがでしょうか。