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コラム2020.01.28

インバウンド客がフェリーを活用している!その理由は?

インバウンド客がフェリーを活用している!その理由は?

日本を訪れる外国人観光客にとって、主な移動手段は貸し切りのバス、個人旅行の場合にはそのほとんどが鉄道でした。というのも外国人観光客にとってこの2つは馴染み深い移動手段であるからです。しかし近年、フェリーがにわかに注目を浴びているのです!

これまでは避けられてきた「船旅」

観光地に乗り付ける大量の観光バス、乗ると日本語のほうが聞こえないような電車・・・。もはや日本の公共交通機関にとって、海外からの旅行客は無視できない存在となりつつあります。普段、こういった交通手段を利用される方にとっても、肌で感じることが多いのではないでしょうか。

しかし、フェリーや高速船といった「船」にはこれまで、外国人観光客の影は少ないものでした。日本は多くの島で構成されているだけに、日本人には馴染み深い交通手段であるにも関わらずです。なぜなのでしょうか?

1点目に、外国人観光客、特に中国人観光客にとってフェリーという移動手段自体印象があまり良くないという点です。海外では安価な交通手段として親しまれているフェリーですが、地域によってはその利用客の客層があまり良くない場合も散見されます。特に防犯の観点から、部屋指定、座席指定のない2等客室を不安がる旅行客は多くいます。

2点目に、日本のフェリーが諸外国と比べ割高であることが挙げられます。海外では安価な移動手段として知られているフェリーですが、日本ではバスはおろか、飛行機よりも高額になる場合が見られます。燃料費の高騰、利用客の減少など理由は様々ですが、それならば飛行機で良い、と思う旅行客も多いようです。また、二等客室から指定にした場合に値段が倍以上に跳ね上がるというのも、治安面を気にする外国人観光客にとって大きな障害となります。

にわかに注目を浴び始めた日本のフェリー

このように、日本に来た外国人観光客、中国人観光客にとってフェリーはこれまで避けられてきたものでした。しかし今、フェリーを利用する観光客が急増しています。

その理由は多くあります。まず、車移動が増えたことが挙げられます。外国人観光客に利用しやすいレンタカー店は都市部に集中しており、都市と地方に両方観光に行きたいといったときに一度返却し借り直すのはとても億劫なものでした。そこで、都市部で借りたレンタカーをフェリーで運び、高速道路を通りながらのんびりと帰ってくる、という旅行プランも見られます。宮崎カーフェリーなどは代表的なものでしょう。

フェリー特有の光景も人気の理由です。神戸と福岡を結ぶ阪九フェリーは瀬戸大橋や明石海峡大橋を下から見ることができ、これは大変な人気を博しています。宮古-室蘭間を結ぶシルバークイーンも人気です。移動しながら海からこうした景色を見ることができるのも、フェリーならではの利点です。

離島への旅行が人気となっていることや、海外発日本向け航路の存在も後押ししています。一部の主要なものを除いた離島は飛行機がない、あっても航空券が非常に高いことが多く、近くの空港へアクセスしたあとにフェリーで島に渡るケースもあります。

釜山や上海などから日本へ向かう航路もあり、非常に安価なため、狭いLCCよりもこういったクルーズでゆったりと日本を訪れる乗客もいます。こうしたフェリーに乗る機会を通じ、日本のフェリーは高額だが快適で、治安も良いというイメージが徐々に浸透しつつあります。

さいごに

かつては日本人の主な移動手段だった船も、飛行機や高速バスの普及により大きく数を減らしました。しかし、日本にはこうした航路がまだ数多く残っています。

飛行機でひとっ飛びもいいですが、こうしたゆったりとした船旅もたまには良いものです。その魅力が外国人観光客にさらに伝わると、日本のフェリー業界も元気になるかもしれませんね。

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