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コラム2019.07.01

中国人観光客はなぜバイキングが好きなの?

中国人観光客が日本で必ず行くと言っていい、バイキング形式(ビュッフェ形式)の食事。なぜ中国人観光客はこれほどまでにバイキングを愛してやまないのでしょうか?中国人観光客に楽しんでいただくためにも、その謎を解き明かしたいと思います。

なぜ中国人観光客はバイキングが好きなのか?

第一に、中国ではお腹いっぱい食べることが美徳とされる場合が多いからです。
満漢全席の逸話に代表されるように、中国人の方はとにかく食にこだわります。かといって高級店で食べ放題するとかなりのお金がかかってしまうので、お手頃で予算内に収まるバイキングはもってこいというわけです。

よく、中国では料理を少し残すのがマナーと言われますが、これは本当に地域によります。フォーマルな場では少し残し、打包(Dabao)と呼ばれるドギーバッグに入れて持ち帰る場合が多いです。中国でも食べ物を大事にする考えは日本と同じなのです。

なので、ケースバイケースですがバイキングでの食べ残しは目に余る場合は注意しても問題ありません。旅行中で舞い上がってしまっている、というのも理由の一つだと思われます。

第二に、中国の家族文化が挙げられます。日本と異なり、中国人観光客は家族で旅行することがほとんどです。それもおじいちゃんや孫も含めた3世代、4世代でのものが多く見受けられます。
というのも、中国は日本より家の概念が強いです。親孝行、孫孝行としての旅行では世代を問わず好きなものをワイワイ食べることのできるバイキングが人気となるのも、頷けるというものです。

中国人観光客が好きなバイキングでの食べ物

では、中国人観光客はバイキングにどのようなものがあると喜ぶのでしょうか?

まず別格なのは、寿司や刺し身、カニといった海産物です。
中国、特に内陸部では新鮮な魚介類というのは非常に高級品です。近年物流と冷凍技術の進歩によりこれまでよりはそうした海産物を見るケースは増えつつありますが、まだ高級品であるという意識は強く残っています。
北海道で中国人観光客が利用するホテルの多くは、こうしたバイキング形式を採用しています。そこでも、カニや寿司といった海鮮からどんどん消えていきますね。

また肉、ステーキも喜ばれる要素です。
特にその場で作って提供されるライブクッキングの前には長蛇の列ができることもしばしばです。何回もリピートするお客様も多いので、ソースを何種類か使い分けるなど味にバリエーションを持たせること、また提供スピードを上げるためある程度は作り置きするケースもよく見られます。

このように、欧米からの観光客と異なりどちらかと言えば日本風のものよりも、本国であまり食べることができないものを食べたい、豪華な食事をしたいという傾向が強いように感じます。
 
反面あまり歓迎されないのは、以外に思われるかも知れませんが果物です。
新鮮な果物は高級ホテルで見かける特別なものであるように思えますが、日本よりも農作物の価格が低いこと、果物の好みの傾向が少し違うことなどからあまり喜ばれません。
 
また朝食の定番であるお粥も、中国粥に慣れた中国人観光客からは味がしないと驚かれるようです。
漬物などはともかく、梅やのり佃煮で味をつけて食べることにあまり理解されない場合があります。
思い切ってだし茶漬けなどアプローチを変えてみるか、日本風の楽しみ方をしるした案内板を置いてみるというのも良いかも知れませんね。

さいごに

中国人観光客が大好きなバイキング。日本ではマナー問題などを非難する報道も目立ちますが、日本を楽しみに来られている方に満足してもらい、リピーターに繋げる大きなチャンスでもあります。
特に日本のバイキングは豪華で美味しいと中国でも評判です。楽しく、美味しいお付き合いをすることが大事かも知れませんね。

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