コラム2019.02.17
WeChat PayがLINEPayと連携!その内容や背景とは?
中国人観光客に欠かせないWeChat、そして日本人に欠かせないLINE。中国人にとっては決済機能としても欠かせないツールです。中国人がLINE、日本人がWeChatを利用することは少ないですが、WeChat PayとLINEPayが提携しました。その内容とは一体どういったものなのでしょうか?
2018年11月WeChatとLINEが提携
中国Tencent社が運営するWeChatが、2018年11月LINEと提携しました。
もともと日本では、スマホ決済アプリの導入と利用はなかなか進んでいませんでした。しかしソフトバンク株式会社とヤフー株式会社によって設立されたPayPay株式会社により、利用者と加盟店の双方に利便性の高いスマホ決済サービス「PayPay」の大規模なキャンペーンが2018年12月に実施されたことをご存知の方は多いと思います。
日本のスマホ決済アプリはPayPayだけではありません。日本人にとって欠かせないツールであるLINEでも「LINEPay」を利用することが可能です。
そしてこのLINEPayと組んだのが中国のWeChat Payというわけです。
この提携によって、コード決済の仕様が統合され、LINE Pay端末を設置済の日本のお店でも、WeChat Payの直接支払いを行うことが可能になるのです。
このサービスは2019年の早期にスタートされる見込みです。
キャッシュレス社会で生きている中国人観光客にとって、日本でもいつものWeChat アプリを起動するだけで両替の手間もなく商品やサービスを購入できることは、大きなメリットなのです。
背景にTencentのライバルAlibabaの動き
実はテンセント社がLINEと提携をした背景に、ライバルAlibabaの動きがあります。Alibabaの支払い子会社であるAlipayは一足早く2018年9月にYahoo! JAPANと提携をしたのです。このことによって、Alipayの利用者は先ほどご紹介した「PayPay」の導入店舗でもスマホ決済を利用できるようになったのです。
このように、Tencentの最大のライバルともいえるAlibaba社のこの動きがLINEPayとの提携につながったといえます。
さらにAlibaba社は韓国のカカオペイとも提携をしています。
中国人観光客のスマホ決済ニーズの高さ
このような中国のスマホ決済各社の状況を見ていくと、中国人観光客のスマホ決済ニーズの高さがさらに伺えます。
中国人観光客は大手家電量販店や百貨店、コンビニエンスストア、大手チェーンレストランなどだけではなく、中小規模のレストランや小売店でも手軽にスマホ決済サービスを利用したいと考えているのです。
海外旅行という非日常を楽しみながらも、地元で暮らすかのような利便性を求めているとも言えるでしょう。
スマホ決済をまずは自分で体感してみるのもオススメ
中国ではすでにインフラ化され、中国人にとって欠かせないと言われても、その利便性は使ってみないとわからない部分もあります。
スマホ決済機能の利用可能店舗は日本でも広まりを見せつつあるので、一度ご自身でも使ってみると良いかもしれません。
銀行のATMに行かなくても手元のスマホ1つでチャージができ、チャージの手数料も無料、そして、財布から小銭を探したり、小銭で財布がいっぱいになったりとったこともないのは、なかなか便利なものです。
これに加え、外国人観光客にとって外貨両替の手間がかからないことが大きなメリットとなることは、想像しやすいのではないでしょうか。
最後に
今後もインバウンド需要に応じるため、サービスを超えた決済アライアンスや同サービス内でのグローバルアライアンス化が進んでいくことが予想されます。
使い慣れているツールが異国のお店で使えることは、便利であることはもちろん、お店への信頼感や安心感につながる1つのきっかけになるかもしれません。
すでに年間700万人を超えている中国人観光客の数は、2020年に向けてますます増加していくことが予想されます。日本でもスマホ決済が注目される今、そんな中国人にとってインフラとも言えるWeChat Payの導入を検討してみてはいかがでしょうか。