コラム2018.11.11
WeChatの進化が止まらない!新機能、ミニプログラムがすごい!
中国のインフラと化しているWeChatは、常に新しい価値を生み出しています。そんなWeChatの新機能である「ミニプログラム」は、今までの常識をくつがえす革新的な出来事として中国で話題です。ミニプログラムとはいったい何なのか?全容をご紹介していきます。
WeChat Payに続く、画期的な新機能ミニプログラム
ミニプログラム(小程序=シャオ チェン シュ)は、2017年1月にリリースされたWeChatの新しい機能です。一言でいえば、「WeChatの中にあるアプリ」になります。
もう少し具体的にお話ししましょう。ネットショッピングをしたいとき、動画を見たいとき、お店のクーポンを探したいときなど、私たちが何か便利な機能を使いたいと思ったときには、個別に1つずつアプリをインストールしていると思います。
しかし、WeChatのミニプログラムでは、その作業が一切必要なくなります。つまり、WeChatさえあればApp Storeなどからアプリをインストールせずに、アプリを利用できるということなのです。
ミニプログラム内の登録アプリ数は約58万件、モバイルゲームや生活サービス関連、モバイルショッピングが中心です。ケンタッキーやマクドナルド、スターバックスといった日本でおなじみのお店も、ミニプログラム内に存在します。
他にも情報収集、デリバリー、チケット予約、配車、飲食店の検索、銀行など、生活シーンに必要なありとあらゆるものが揃っていると言ってもいいでしょう。
中でもモバイルゲームの開発が盛んで、2017年末に爆発的ヒットを記録した「跳一跳」というモバイルゲームは、累計アクティブユーザー数が約4億人に達したと言われています。
ミニプログラムで何が変わるのか
では、ミニプログラムを使うことで、何が変わるのでしょうか。
まず、スマホの画面が変わります。WeChatのミニプログラムを使えば、これまで画面上に散乱していたアプリは消えることになります。画面には、WeChat ただ一つを残すのみです。
また、全てがWeChat 内で完結するので、アプリを入れるたび必要だったユーザー登録やパスワードの設定がいらなくなります。逐一、ログインする必要もありません。WeChat で検索するか、友人からシェアしてもらうか、QRコードをスキャンするだけで必要なアプリを入手することができるのです。
中国の人々は、四六時中WeChatを使っています。常にオープンしているWeChatを閉じることなくアプリを使えるというのは、想像以上に便利なことのようです。
その証拠に、2017年のリリース以降も順調に利用者は増えています。ミニプログラムの1日のアクティブユーザー数は約1.7億人、月間アクティブユーザー数は約5億人とされています。WeChatのユーザーは約10億人とも言われていますので、半数近くの人がミニプログラムを利用していることになります。
ミニプログラムの機能が備わったことで、WeChatはますます中国人に欠かせないツールになっています。例えば、ミニプログラムを使って飲食店を検索して予約する、お会計はWeChat Payで支払う、お店の感想をWeChatのモーメンツで共有するといった具合です。
WeChatユーザーの大半は、WeChat Payユーザーでもあります。WeChat Payと同じように、ほぼ全てのユーザーがミニプログラムを利用する日も近いのではないしょうか。
この勢いをうけ、WeChatを運営するテンセント社のライバル企業も続々とミニプログラムに値する機能をリリースしています。
最後に
ミニプログラムは、中国のモバイルインターネットの世界を変えようとしています。WeChatさえあれば、必要なときに必要なサービスを手に入れることができるのですから、アプリの概念が根底からくつがえると言ってもいいのではないでしょうか。
ミニプログラムは、中国のみならず世界のモバイルインターネットに新時代の幕開けを予感させます。今後も、WeChatの進化から目が離せません。