コラム2018.10.31

インバウンドニーズが高まる美容業界！美しくなりたい中国人

今や、アジア圏の中でも特に美容意識が高いと言われている中国人。そうしたことから、日本の美容業界でもインバウンド客が増加しており盛り上がりを見せています。中国人が求める日本の美容サービスとはどのようなものなのでしょうか。

美容体験を望む中国人観光客

訪日経験のある中国・台湾・韓国・香港の女性を対象としたアンケートで、日本は「美容で憧れる国１位」に選ばれました。中でも中国の女性は、日本の美容への憧れが特に強い傾向があるようです。（リクルートホールディングス調べ）

最近の中国人観光客は、日本製の化粧品などを買うだけでなく、自分自身を美しく磨くことに関心が高まっています。そのため美容エステやネイルサロン、ヘアサロンなどでサービスを受けることを望む方が目立ちます。

新トレンド！美容体験ツアーとは？

中国人観光客の美容ニーズに着目して、日本の美容情報が検索できる訪日中国人向けポータルサイト「Beauty Park玩美花园」を運営してきたオーエスが、2018年2月から中国人観光客対象の美容体験ツアーをスタートしています。

中国では、インターネット、SNSの普及に伴い、自らをきれいに見せるためのメイクに興味を持つ女性が急増しており、そんな彼女たちに、日本の美容技術を体験してもらうことが狙いです。

美容体験ツアーでは、「ヘッドスパ」「ヘアトリートメント」「へアアレンジ」「フルメイクアップ」が組み込まれています。

ツアーに参加するには、専用のアプリを使って事前予約をします。困ったことがあればスマホ（WeChat）から中国人コンシェルジュに問い合わせができるので心強いです。コンシェルジュは利用者の要望を細やかにカウンセリングしたうえで、提携加盟店への予約代行もしてくれます。最後にWeChat Payなどで決済を済ませたら予約完了です。

利用者は日本語がわからなくてもスムーズに予約・支払いができ、同時に提携加盟店はドタキャンの心配がなく中国人観光客を受け入れられるので、双方にとって安心な仕組みであるといえます。

中国人が日本の美容に憧れる3つの理由

中国人が日本の美容に憧れを抱くのには大きく3つの理由があります。

（１） 日本製に信頼

日本製品の品質のよさは、美容分野においても安定の高評価のようです。もはやメイドインジャパンが一種のブランドになっています。

（２） 丁寧な接客

「笑顔で丁寧な接客」、「サービスに対する事前説明」「お茶やお菓子の提供」「洗髪後に暖かいタオルで髪を包む」、「肩や頭のマッサージ」など、日本の美容サロンではよくあるサービスですが、インバウンド客からすると、これらは日本ならではのおもてなしであり大変魅力的であるようです。

（３）店内が清潔

日本の美容サロンは一般的に清潔できれいな印象ですが、その清潔さがインバウンド客に感動を与えています。衛生管理が行き届いている日本のサービス業はインバウンド対策としても大きな強みといえるでしょう。

美容業界におけるインバウンド対策で必要なこと

美容業界のインバウンド対策で課題となるのはやはり言葉の壁ではないでしょうか。美容サービスの接客は、他の業態と比較してコミュニケーションをとる回数が多いです。丁寧な接客を求めるインバウンド客に対し、スムーズな会話は不可欠であり、外国語対応の強化が望まれます。

サロンによっては、外国語教師によるレッスンを行ったり、外国語レッスンの通学支援を行ったりとスタッフの語学力を上げる努力をしているところもあるようです。

また、外国語ができなくてもインバウンド接客が可能になる「通訳サービス」や「外国語対応アプリ」もあるのでうまく利用するとよいでしょう。

しかし、美容業界の接客では、専門性の高い会話をすることも多く、翻訳サービスやアプリではうまく対応できない場合もあるので、完全に頼り切るのは難しいかもしれません。スタッフの語学力の強化対策をしつつ、並行してサービスやアプリを使うのがよいでしょう。

まとめ

日本を訪れる中国人観光客は爆買いなどの「モノ消費」から、日本ならではの体験をする「コト消費」へと行動が変化しており、それは美容業界も例外ではありません。

美容サービスは、気に入ってもらえればリピーター需要が狙えます。美容業界は将来有望な分野として今後の更なる盛り上がりに目が離せません。