コラム2018.10.26
中国人観光客は増える?日本開催!ラグビーワールドカップ2019とは?
来年、日本で開催される「ラグビーワールドカップ2019」は世界3大スポーツイベントのひとつです。その経済効果は数千億円以上とも言われ、地方へのインバウンド増加も期待されています。大会が、中国人観光客に及ぼす影響について、調べてみました。
ラグビーワールドカップの経済効果は4300億円!地方にも波及
第9回ラグビーワールドカップは、日本をふくめた20チームで優勝を争います。これまで日本を訪れることが少なかった国々からも、応援にかけつける人が増えるはずです。世界ランク1位のニュージーランドや7位のオーストラリアといったオセアニアの人々、5位の南アフリカ、もちろんヨーロッパやアメリカからのインバウンド需要も見込まれます。
開幕は来年9月20日、決勝戦は11月2日に行われます。東京オリンピック2020は17日間、FIFAワールドカップ2018は32日間ですので、44日間の熱い戦いは、スポーツイベントの中でも長期にわたるものと言えます。
また、大会の経済効果は約4300億円とも言われます(公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会の試算より)。約1か月半の間、日本は大会目当てで訪れる訪日外国人観光客を受け入れなくてはいけません。特に、北海道から九州まで全国にちらばる12の開催都市ではインバウンド対策が急務です。地方でも、インバウンド消費の恩恵を受けるチャンスではないでしょうか。
アジアからは日本だけ。中国人観光客が増える可能性は未知数
今回、アジアから出場するのは日本だけです。そもそもイギリス発祥のラグビーは、ヨーロッパやオセアニアを中心に人気が高く、アジア諸国ではどちらかというとマイナースポーツと言えます。
中国も例外ではありません。そのため、自国が出場しないラグビーワールドカップを観戦するために中国人観光客が増えるかというと、「難しい」と言わざるをえないでしょう。
しかし中国のラグビーは現在、大きな転換期をむかようとしています。中国国内では、ラグビーをメジャースポーツにしようという動きがあるのです。
中国がラグビーに目をつけた理由は、いくつかあると考えられています。まず、ラグビーワールドカップが世界的なビッグイベントであることです。観客動員数やテレビ視聴者数は、オリンピックやFIFAワールドカップに続きます。
また、ラグビー人口が世界的に増加しており、オリンピック競技として7人制ラグビーが採用されたことも大きいでしょう。今後、ラグビーワールドカップが中国で開催されれば、相当なインバウンド消費が期待できると考えたのかもしれません。
2016年に、ネット通販最大手のアリババが10年間で総額1億ドルを中国ラグビーの発展に投資すると発表しました。5年で競技人口100万人獲得、ラグビーコーチ3万人を養成、15人制ラグビーやセブンズ(7人制ラグビー)のプロリーグ開設といった具体的な目標も掲げています。
中国には、「経済や軍事力と同様、スポーツの世界でも中国が頂点にあるべきだ」という国の理念があります。国策ともいえる考えにもとづき、サッカーでも巨額の投資をしてきた過去があります。
最新の世界ランキングでは、中国は87位です。日本の11位と比べると大きな差がありますが、今後順位をあげてくるのは間違いなさそうです。
中国が参加しないとはいえ、このように国をあげてラグビー人気を高めようとしていることから、中国人観光客がラグビーワールドカップを目的に来日する可能性は否定できないのではないでしょうか。
まとめ
中国人観光客の増加については未知数ではあるものの、ラグビーワールドカップの時期は訪日外国人観光客が増えると予想されます。開幕まであと、1年を切りました。開催都市はもちろん、その周辺地域でもインバウンド対策は急務です。