コラム2018.08.30
中国人観光客のマナー問題。スムーズに対処する方法 ~小売店・飲食店編~
日本を訪れる中国人観光客には買い物や食事を目的としている方も多いです。そのため日本の小売店や飲食店では多くの中国人観光客の姿を見かけます。今回は小売店・飲食店での中国人観光客のマナー問題を取り上げ、その対処方法についてご紹介します。
訪日中国人にみられる行動パターン例 3選
1.無料サービスの品を大量に持って帰る
中国人は現実主義でお金をとても大切にする国民です。そのため、無料サービスが大好きです。もらえるものは、例え不要なものであっても持って帰らないと損だという考えの人が多いようです。
日本の小売店や飲食店では「ご自由にお持ち帰りください」「ご自由にお取りください」というメッセージとともに、無料配布の品が置かれていることがあります。
この「ご自由に」の表現には、「節度をもってご自由に」という意味が隠れており、日本ではそれが言わずとして伝わりますが、中国人には通用しません。彼らは「いくらでも持って帰っていい」というニュアンスに受けとるのです。
〈対処方法〉
先ほども申し上げましたが、「ご自由にお持ちください」という表現は、そのままの意味で受け取ってしまう中国人には不適切な表現なので、大量に持って帰ってほしくなければ、「お一人様〇個まで」など具体的な表現にする必要があります。
また、手が届くところに置き自由にとってもらうセルフ方式ではなく、店員が直接渡す方式にするのもいいでしょう。
わかりやすく言えば、スーパーのレジでお弁当を購入した人にはお箸をつける、買い物した人に化粧品のサンプルを渡すという感じです。この方式であれば、無料品を大量に持っていってしまうことはなく、お店側である程度コントロールができます。
2.食べカスをテーブルの上に置く
中国では、一度口に入れたものをお皿に戻すことは汚く、お行儀が悪いとされています。
そのため、食べた後の魚や肉の骨は、皿の端に置かずにあえて、テーブルの上に捨てることが一般的のようです。
〈対処方法〉
テーブルのうえに食べカスを捨てないよう注意書きで促すとともに、食べカスを捨てるための器をテーブルの上に用意しておくとよいでしょう。
ちなみに、中国の一部のレストランでは、薄い使い捨てのテーブルクロスを何枚も重ねてかけておき、片付けの際に一番上だけをはがし、食べカスとともに捨てるという方法を用いているようですので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
3.食べ放題(バイキング)で食べ残す
中国ではキレイに食べ切るよりも、残すことが大事という食文化があり、食べ物を残す=「お腹いっぱいです。満足です」という気持ちを表現します。
食事でおもてなしをする時、ホスト側は食べきれないほどたくさんの料理を出すことが礼儀とされています。
また、中国人の外食スタイルは、人数分の種類の料理を注文し、すべての料理をみんなでシェアするというものが主流です。そうした文化からバイキングレストランにおいても、各自がシェアするつもりで多めに料理をとってきます。最終的に料理が多すぎて残すということにもなるようです。
〈対処方法〉
バイキング方式のレストランでは、「料理を残した場合には追加料金を徴収する」というルールを設けているところも多くあります。
中国人は「罰金」を恐れる傾向があるため、このルールは効果的といえます。店頭やテーブルなど目立つところに中国語、英語の併記の注意書きを貼っておくとよいでしょう。
また、事前に口頭でも説明するとなおよいでしょう。
まとめ
一部の中国人観光客の行動は、マナーの点でまだまだ課題が残っています。しかし一方で、日本の文化や価値観を受け入れ、印象が悪くならないようマナーに気を遣う中国人も増えています。
日本にとって、インバウンド集客は経済成長の大きな柱の一つです。中でも影響力の強い中国人観光客に関しては、彼らの行動を批判するのではなく、うまく付き合っていく手段を考え、歩み寄ることが今の日本にとって建設的な方法だといえるのではないでしょうか。
中国人観光客のマナー問題。角を立てない対処方法 ~観光編~