コラム2018.05.30
WeChatでビジネスチャンスを掴もう~公式アカウント取得編~
中国を中心に今や11億を超える登録ユーザー数を誇るチャットアプリWeChat。訪日中国人をターゲットにしたビジネスを展開するにあたり、最も活用したいツールの一つと言えるでしょう。では、具体的にどのような活用方法があるのかを見ていきましょう。
WeChatとは
WeChatは、中国の大手IT企業・テンセント社が提供する無料チャットアプリ。WeChatの利用方法は、コミュニケーションツール、SNS、支払いなど多岐に渡り、中国人にとって、なくてはならないツールです。そんなWeChatが今や個人が楽しむだけのツールではなく、ビジネスの現場でも重要視される存在となっています。その理由は、WeChatの公式アカウントの影響力にあります。
WeChat公式アカウントとは
WeChat公式アカウントとは、個人、政府、媒体、企業が開設できるアカウントのことです。フォロワーに定期的にPRプロモーション記事を配信したり、フォロワーとアカウント管理者が直接チャットでコミュニケーションをとったりできます。すでに多くの企業や団体がビジネスに活用しています。
WeChatを使ってプロモーションを行うことができる公式アカウントは、2種類あります。
①サービスアカウント:企業のみが開設可能のアカウント。月4回の情報発信とサービス提供、ならびにユーザー管理ができます。顧客ロイヤリティの向上、VIP顧客の囲い込みなどを目的として利用されています。
②購読アカウント:企業も個人も開設可能のアカウント。ユーザー向けに1日1回情報を発信することができます。定期配信されるメルマガのような使い方に適しています。
公式アカウントの取得の前に
公式アカウントの取得をするにあたり、まず押さえておきたいことは、WeChatが2種類存在するということです。一つは、中国にいるユーザー専用のWeChatで、テンセント社は、それを微信(Weixin)と呼んでいます。もう一方は、海外ユーザー向けのもの。これはWeChatと呼ばれています。
訪日中国人を対象にビジネスをお考えで、中国国内の人々に情報を発信したいのなら、微信で公式アカウントを取得する必要があります。
しかし、微信公式アカウントは、中国の現地法人以外の開設は基本不可のため、日本の企業が開設するには中国現地法人に代理申請をしてもらうことになります。
公式アカウントの取得の手順
WeChat(微信)の企業アカウントの申請は無料です。申請には下記①~⑦を準備する必要があります。準備物は少し多い印象もありますが、作業としては複雑なことはなく、順に画面に沿って入力し、資料をアップロードいくだけで、比較的簡単です。
①営業基本情報(名称、住所、郵便番号など)※中国現地法人限定
②営業許可証基本情報(許可番号、設立日時、経営範囲など)
③営業許可書 (スキャンデータ)※中国現地法人限定
④組織番号(法人設立時に交付)
⑤管理者基本情報(氏名、電話番号、身分証明書番号など)
⑥管理者身分証明書(スキャンデータ)
⑦管理者への運営委託書(所定のフォーマット+会社の捺印) (スキャンデータ)
申請を終え約1週間の審査期間を経て、問題がないと判断されたアカウントは、めでたく使用可能となります。
ただ、中国では、残念ながら有名企業の偽アカウントが開設されているケースが少なくありません。そのリスクヘッジとして、公式アカウント認証マークを受けられるサービスもあります。
アカウントの認証を申請する場合、追加で提出資料や情報が必要で、且つその企業の中国国内銀行口座との連携確認も必須です。テンセント社への認証費用の支払いも毎年数百元発生しますが、信憑性を高めるために多くの企業が利用しています。
最後に
訪日中国人観光客向けのPRなど、すでに日本企業のビジネスにも利用され始めているWeChat(微信)。興味をお持ちの企業も多いことでしょう。ただ、アカウント取得の作業やアカウント取得後に中国向けのコンテンツを作る際、中国語の翻訳の問題が気になりますね。
自社で中国語ができるスタッフがいて社内で運用が可能であればそれに越したことはないですが、中国語で運用することができない環境であれば、WeChat(微信)の運用経験がある翻訳会社や運用代行会社へ依頼してみると心強いでしょう。
世界で注目を集めているWeChat(微信)をビジネス活用ツールとして視野に入れてみてはいかがでしょうか。