コラム2018.04.28
中国人観光客は何を使って旅行先を移動する?中国人と乗り物のあれこれ。
中国人観光客の移動手段は?
これからの中国人観光客は、個人旅行の割合が増えてくると予想されます。「モノ消費からコト消費へ」とはよく言われていることですが、今後の傾向としてはショッピング中心ではなく、体験型の旅行が人気になってくると思われます。
団体旅行の経験を経て日本のリピーターとなった彼らは、他の中国人が体験したことのない、ニッチな日本を求めて全国の隅々まで旅をするはずです。
観光バスを卒業した中国人観光客が、次の移動手段として選ぶ乗り物はなんでしょうか。中国人の特性と合わせて考えてみました。
中国人と電車
個人旅行で中国から日本にやってくる人は、それ相応の富裕層だと思われます。彼らは普段の生活で、電車に乗ることはほぼありません。中国では、管理職クラスになると通勤手段にまず電車は使わないそうです。中国では、電車は低所得者の乗り物という認識があり、どれだけ道が渋滞しようが、ステイタスである自家用車で出社するのが体裁を保つ手段と言えるのです。
もしかしたら、人とは違うことを求めたがる中国人観光客の中で「中国では乗らない満員電車に日本で乗ってみよう!」と、流行りにのる可能性は捨てきれませんが、短い距離を移動するのに電車を選択する可能性は低いと考えられます。
レンタカーはどうか?
日本人が旅行をするとき、レンタカーを借りるというのはよくある選択肢の一つだと思います。特に、北海道や沖縄など電車では移動が難しい地域ではレンタカーが常套手段です。そう考えるのは、中国人観光客も同じようです。
しかし、中国人観光客は中国国内で運転免許を取得しているだけでは日本で車を運転することは出来ません。ジュネーブ条約に基づいて発行された国際運転免許を取得する必要があるのです。それにも関わらず、中国人が日本でレンタカーを借りて移動することが問題になっています。ここ最近人気が高まっている沖縄では、他人が借りたレンタカーに無許可で中国人が乗った末の事故も発生しているそうです。
中国人からすれば、普段から慣れ親しんだ車での移動が楽なのでしょうが、そこは決まりを守ってほしいところです。
タクシーは?
電車もレンタカーもダメとなると、タクシーが最も有効な移動手段と考えられます。実際、タクシーを貸し切る中国人観光客も多いようです。
しかし、ここでも問題があります。それは無許可の「白タク」です。白タクとは、国交省の許可を得ずに料金を取っているタクシーのことです。その運転手の大半が日本に住む中国人だと言われています。中国人観光客も、言葉が通じることと正規のタクシーより料金が安いことなどを理由に白タクに乗り込んでしまうようです。
あんなに集団でバスに乗り込んで移動していた中国人観光客も、本当はゆったりと車に乗って、少人数で移動するのが好きなのかもしれません。
最後に
2020年のオリンピック・パラリンピックには、より一層の中国人観光客が日本に押し寄せるでしょう。その時を見据え、公共交通を始めとする移動手段の受け皿はもっともっと選択肢を増やしていくべきだと思います。
言語対応はもちろん、中国人に馴染みのあるWeChat Pay等のキャッシュレス決済の導入など、移動手段における様々なサービスの向上が不可欠ではないでしょうか。