コラム2018.03.28
WeChat PayかAlipayか?比べてみました~機能編~
WeChat PayとAlipay、「よく似ていて違いが分からない」「どっちも一緒でしょ」と思っている日本人は多いと思います。この2つ、同じようでそれぞれに特長があります。中国人はこれらを使い分けているのです。今回は、機能の面から2つを比べてみました。
登録・決済などの基本的機能
WeChat Payがコミュニケーションツール、Alipayがインターネットショッピング発という大きな違いがありますが、基本的にはほぼ同じと言っていいかと思います。
まずは、スマホに専用アプリをインストールします。そして、アカウントに自分の銀行口座を登録します。登録した銀行口座から、アプリにお金をチャージしておきます。後はその残高分までスマホ決済で買い物が可能です。当初は、WeChat PayもAlipayもチャージするというステップを踏んでいましたが、最近では決済した瞬間に銀行口座から直接支払われるデビット方式でも使えるようになっています。
店頭での使い方は主に2通りあります。1つは、店舗にあるQRコードをスマホのカメラで読み取り、店員から聞いた支払額を直接入力する方法です。お店の方は、決済完了画面を確認してから商品を渡すといった流れです。
もう1つは、購入者がスマホアプリにQRコードを表示し、それをレジで読み取ってもらうやり方です。この時のQRコードは、セキュリティの面から1分ごとに切り替わってすぐに使えなくなります。
WeChat PayもAlipayも、現金と同じような感覚で使用できます。支払期限が先にあるクレジットカードとは違い、店舗側には債権回収リスクがありませんし、利用者は通信費以外の余計な手数料がかからないという点も共通しています。
公共料金の支払い、個人間送金、割り勘機能なども、WeChat PayとAlipayの双方で利用できます。
それぞれの特長的な機能
共通点の多いWeChat PayとAlipayですが、それぞれ個性があります。
WeChat Payと言えば、「紅包(ホンバオ)」です。この機能が浸透したことによって、旧正月(春節)に手渡ししていた伝統的なお年玉の風習が、モバイル上での個人間送金に変わってしまいました。紅包には、開けてみないと金額が分からない「ランダム送金」という機能もあります。これは、ラッキーマネーとも呼ばれていて遊び心を感じる仕組みです。
個人間送金機能はAlipayにもありますが、WeChat Payはコミュニケーションツールの特長を活かし、スタンプを送るように簡単にお金のやりとりが出来るようにしたのです。買い物で使うAlipayより、WeChatで普段から会話をしている人との間で使う「お金」といった具合に使い分けがされ、WeChat Payが個人間送金の主流になったのかもしれません。
一方のAlipayは、「余额宝」と呼ばれる預金サービスを提供しています。この「余额宝」は、利息が高すぎるということで話題です。通常、中国国内銀行の普通預金の利率は0.35~0.45%になっています。これに対しAlipayの余额宝であれば4%以上の利息がつくというのです。
また、Alipayには「芝麻信用(ゴマスコア)」という、個人の信用度を点数化する仕組みがあります。同じアリババグループが運営する「淘宝」や「天猫(Tモール)」のデータも活用され、点数が上がるとアリババグループ内でお得なサービスを受ける事が出来ます。アリババグループは、全ての支払いをAlipayにまとめることによって顧客の囲い込みを行っているようです。
日本ではWeChat PayとAlipayのどちらも導入している企業もあれば、どちらかしか導入していない企業もあります。現在、2つの実力は拮抗していますが、今後新しく付加される機能によっては勢力図が大きく変化するかもしれませんね。
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