コラム2017.08.22

インバウンドビジネスの鍵？中国人観光客の日本で困ること

「爆買い」という言葉で一気に世間に定着した、日本に訪れる中国人観光客。その数は年間１００万人を超えていると言われています。今回は、そんな中国人観光客が実際に日本を訪れた際に困ることをいくつかご紹介！これを解決すればビジネスチャンス到来？

困りごと①言葉が通じない

英語圏以外の人が外国に行けば、言葉の問題は一番大きな困り事になるでしょう。日本でも中国人観光客が増加し始めた頃から、各飲食店では中国語のメニューを作成したり、観光スポットでは中国語の説明書きを入れたりと対策は進められていますが、追いついていないのが現状のようです。いくら表記が中国語でも、やはり話せる人が１人はいないと観光客にとってなかなか満足のいくサービスが受けられません。中国人観光客を積極的に取り込もうとしている企業やお店だと、中国人や中国語が話せる人を採用していたりもしますが、観光地となるような昔からあるお店などではまだまだそうした動きは進んでいないケースも多くあります。また、中国語ならまだしも、英語すら通じない店も多いことで中国人は不満を抱えているようです。
ただ、人を採用すること自体が難しくなっている日本で、中国語ができる人というハードルを設けてはさらに採用ができなくなってしまいますし、抱えられる人数が限られている店も多いでしょう。なので、身近なところでスマホの翻訳アプリを利用するなどして、最低限の言葉が通じる環境を用意してあげると、中国人観光客の取り込みの第一歩につながるかもしれません。

困りごと②無料公衆無線LAN環境が少ない

日本では意外と知られていませんが、実は中国はWi-Fi環境について先進的な国。北京や上海などの大都市圏ではもちろんのこと、地方の中堅都市でも町のいたるところに無料のWi-Fiスポットを見つけ利用することができます。さらに田舎の地域でも、観光客が来るようなホテルや観光地、飲食店などではWi-Fiサービスを提供しているところがほとんど。しかも、そのほとんどが無料でかつ誰でも使えるフリースポットのため、スマホやパソコンに無線LAN機能が搭載されていれば、旅行者は自由にそれを使うことができとても便利です。
そんな環境に慣れている中国人にとって、日本はそうした環境が整っていないと不満に感じるのも不思議ではありません。”使えて当たり前”の感覚のものを”わざわざ探して使う”というのは非常にストレスになります。なので、ホテルなど宿泊施設はもちろん、飲食店や小売店でも無料Wi-Fiサービスを提供すれば、中国人観光客にありがたがられるに違いありません。

困りごと③支払い時のあれこれ

支払いに関して、まずは①と同様言葉が通じないことによっていくらかわからず困るということがあります。その他にも値引きしてくれないということ。中国では個人が営む飲食店や小売店では値引き交渉ができることがほとんどですが、日本ではなかなかそうはいきませんよね。こうした文化の違いに違和感を感じることもあるようです。
また、中国では「WeChat」というLINEのようなスマホアプリがあり、決済機能が付いているため「WeChat」を通じて支払いをすることも年々増加しているそうです。ケータイ一つで支払いができてしまう便利なアプリで、中国ではインフラ化がかなり進んでいます。なので、中国人観光客がいつもの癖で「WeChat」で支払いをしようとしたところ、使えなくて困ったという例も増加してきているそう。日本ではまだまだ浸透していないサービスですが、いち早く取り入れることで、中国人観光客にとって他と差別化することができるかもしれません。

いかがでしたか。今回ご紹介したのはごくわずかな例ですが、インバウンドビジネスを考える方のヒントになれるものもあるかもしれませんよ。