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コラム2020.03.02

中国人旅行客に人気の「一棟貸し」

中国人旅行客に人気の「一棟貸し」

 インバウンドでの消費において、大きな割合を占める宿泊費。旅行客にとって、宿泊先をどうするかというのは永遠のテーマと言えます。

その中でも、今脚光を浴びているのは一つの建物を借り切る「一棟貸し」の業態です。なぜ人気なのか、その秘密を探りました。

一棟貸しってどんなもの?

 一般的に、旅行の宿泊先というとホテルを思い浮かべるでしょう。借りるのは一部屋で、その中に2人ないし3人など複数人宿泊することもあります。

民宿や旅館など業態は色々とありますが、共通して言えることは「一つの建物に複数グループが泊まる」ということでしょう。部屋を提供する側にとってもコストが抑えられますし、一般的な業態と言って差し支えないと思います。

これに対し、建物ごと借り切るというスタイルもあります。最も一般的なのは、キャンプ場にあるバンガローのようなものでしょう。

キャンプ地といえばテントが主流のように感じられるかもしれませんが、今気軽にキャンプを楽しみたい層に人気なのが建物を借りるタイプです。

テントよりは少し割高ですが、冷暖房がある場合もあり、快適さは段違いです。自然を活かしたログハウスのような形態が多く見られますね。近年ブームになっているグランピングにおいても、こういった建物を用意し、そこに快適に宿泊するという形が主流です。

一風変わったのが、少し高級なリゾートホテルなどに見られるコテージです。こちらは不便さとは無縁の、贅沢なものです。アメニティも充実していますし、サービスも一流ホテルに遜色ありません。リゾートホテルの一室が、そのまま一戸建てになったようなイメージでしょう。

割高なはずの「一棟貸し」がなぜ人気に?

一棟貸しは自由に一つの建物を利用できる反面、料金は決して安くはありません。バンガローはテントより高く、コテージはホテルの一室より高いはずです。

にもかかわらず、旅行客にとって「値段」が魅力だというのです。なぜでしょうか?

日本のホテルの多くは、「人」に対してお金を取ります。同じ和室の部屋でも、2人で泊まるのと3人で泊まるのでは料金が変わってくるのです。

これに対して、外国人観光客の感覚としては食事がつく場合を除けば料金は「部屋」に払うものという感覚が強いです。そのためシングルは割安に感じられますが、ファミリー層には割高に見えてしまうのです。

それに対し、一棟貸しの場合は最大人数が指定されているのみで、一棟に対し料金が設定されている場合が多いです。理由は様々ですが、ホテルのようにフロントがないので厳密に人数を確認することが難しいこと、一人で利用する層がほぼ居ないことが挙げられるでしょう。

こうなると、家族で宿泊する外国人観光客、特に中国人観光客にとっては非常に魅力的にうつります。現実的な理由としては、旅行予約サイトで人数を入力し検索したときに、こうした物件が非常に割安に表示されるというのも人気の秘密です。

これまでキャンプ場のバンガローはキャンプに来た人のための宿泊施設という位置づけでした。しかし、キャンプ場は季節によって繁忙期と閑散期に大きく分かれるものが多くあります。

閑散期の稼働率を上げるためにも、外国人観光客はまさにうってつけの存在と言えるでしょう。

さいごに

一棟貸しはその他にも料理ができるキッチンを備えている、騒音についてホテルの客室ほど気を使う必要がないなど様々なメリットがあります。

現実的に一棟貸しを都市部で行うことはコスト的に無理があるので、便利なシティホテルというよりはリゾートホテルのような使い方になるでしょう。

しかし人気サイト「Airbnb」では一棟貸しに絞って検索する事もできるなど、今人気が急上昇している宿泊形態の一つです。

ファミリー層が増えるインバウンド業界において、今後要注目のキーワードと言っていいでしょう。

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